小説(ボクもの)
2024/08/27
2024/08/13
2024/07/29
2024/07/23
昼行燈103「おしくらまんじゅう」
「おしくらまんじゅう、押されて泣くな」
冬になると学校では、おしくらまんじゅうで遊ぶ。
校庭は雪がどっさり降っていて、さすがに遊べなくなっている。
いつだったか、自衛隊の人たちが来て、ブルドーザーで雪掻きしたことがあるって、近所のおばちゃんに聞いたことがある。そこまでは積もってないみたいだけど。
ああ、でも、そんな光景、見てみたい。
2023/09/29
2023/09/21
2021/09/09
あの日から始まっていた (9 火車の頃)
ガキの頃、あるいは物心付いたかどうかの頃、地獄絵図の夢をよく見たものだった。立山曼荼羅に描かれる世界が、私の夢の中では現実だった。
幾度となく炎熱地獄、無間地獄の世界を逃げ惑った。目が醒めて、ああ、夢だったのかと安堵の胸を撫で下ろすのだったけど、目覚めというのは、眠りの間の束の間の猶予に過ぎず、夜ともなると、また、元の木阿弥へと突き落とされていく。
その地獄では、同じ場面が繰り返された。ある男(自分?)の脛(すね)の肉が殺ぎ落とされる。
血が噴出す。肉片が何処かへ行ってしまう。男は、取り戻そうと駆け出すのだが、炎熱に阻まれて追うことは侭ならない。
が、気が付くと、男の眼前に肉片が転がっているので、男は慌てて肉片を拾い、脛にあてがって元の状態に戻す…のだが、またまた誰かの手により(それとも鋭い刃によって)殺がれてしまい、血が噴出し、男は肉片を追おうとする…。そんな繰り返しだった。
2021/08/26
あの日から始まっていた (5 赤い闇)
「赤い闇」
手探りして歩いている。何処を歩いているのかさっぱり分からない。何故に歩くのか。それは走るのが怖いからだ。早くこの場を抜け出したいのだが、漆黒の闇が辺りを覆っている。ぬめるような感覚がある。巨大なナメクジに呑みこまれているようだ。それとも呑み込んでいるのか。
息はできている。空気はあるのだろう。吸う。溜める。吐く。意識して呼吸する。体の中に何かを取り込んでいる。肺胞がギリギリの活動をしてくれている。
踏ん張って歩きたい。が、足元が覚束ない。押せば引く、引けば圧し掛かってくる。体が重苦しい。世界は開かれている。そう直感している。ただ、隙間が見えないだけだ。何処かに出口がある。そう信じて生きていくしかない。
2021/08/25
2021/08/22
あの日から始まっていた(3 バケツ)
暗闇の何処かから声が聞こえる。声の主は目の前にいる。きっと先生だ。眼鏡の奥の目線が冷たい。「10から1まで逆に言いなさい」とか何とか。他の生徒らは順番にハキハキと答える。中にはつっかえながらも、何とか答えている。やがてボクにも番がやってくる。ボクにできるだろうか。隣の女の子は、なんて綺麗な声なんだろう。「じゅう きゅう はち なな……さん にぃ いち。」ついにボクだ。みんなの目線がボクに集まる。何十もの目玉がボクの顔にへばり付く。視線というハリネズミの針がボクの顔を心を突き刺す。椅子を引いて立ち上がるボク。「じゅう…きゅう……はち……」そこで止まってしまう。「なな」が言えない。
より以前の記事一覧
- ボクの世界は真っ赤な闇 2020.10.16
- マスクをするということ 2020.05.11
- 夢は嘘をつかない 2020.05.10
- ジェネシス 7 先生 2019.01.27
- ジェネシス 6 雪の朝の冒険 2019.01.25
- 冒険 2019.01.22
- ボクのブルー 2016.06.30
- 雨の日の公園 2016.05.16
- 真っ逆さま 2014.11.25
- 踏切の前で 2014.07.09
- 頬杖 2009.07.30
- 梅雨空に寄せて 2009.07.18
- ボクの猫 2009.03.05
- 誰かが見ていた 2008.01.19
- 夕焼け雲 2007.08.24
- 夜明け前 2006.03.18
- 兄ちゃんの姫始め 2006.01.01
- 雪の帰り道 2005.12.12
- 石ころ 2005.07.17
- テイスティング 2005.01.22
- 雪の古城にて(1) 2005.01.10
- おしくらまんじゅう 2004.12.20
- 蓮っ葉な奴 2004.12.20
- 遠い海 2004.12.05
- 天国への扉 2004.11.28
- 落雁の思い出 2004.11.22
- 恋は秋の暮れに 2004.11.19
- 彼岸花の頃 2004.11.15
- 蓮っ葉な奴 2004.11.15
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