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2024/10/01

断末魔

Yane_20241001122201  「断末魔

 女は堪えていた。もうパンパンだった。はち切れそう。なのに男は容赦なく押し倒し覆い被さり両手両足を絡め羽交い締めにし口を口で封じ全てをモノにせんとしていた。女はこのままでは本気でヤバいと感じていた。切羽詰まっていた。今はまずい。一週間ぶりに出そうだ。よりによって今とは。

 必死で足掻いた。背中に回した両手の爪で引っ掻いたりした。赤信号の合図の積りだった。抉られる痛みを男は感じた。が、バタつく女の両足が余計に生々しくえげつなくて一層欲望を掻き立てるのだった。もう最後まで行くしかない。止められるはずもなかった。

 溢れる! 弾ける! 破裂する! 全身汗まみれだった。汗さえ飛び散っていた。口からは涎が泡を噴いていた。女は渾身の力で男を撥ね飛ばそうとした。男は女の何時にない激しい反応や顔のゆがみにますます真っ赤な衝動に駆られるばかり。いつもとはまるで違う女を感じていた。これが女なんだ!

 女は末期の時を予感していた。もうどうにもならない……。そしてついに身体中の全てを一瞬で撒き散らしていた。それでも足りないかのようにダラダラと洩れ垂れ染みだし続けていた。辺りは小麦色の濃厚な空気…ほとんど黄色の粉塵が漂い、黄金色の池が延び広がっていた。鮒か鯰か金魚か蟹か知れない生き物がヘドロの中を這い回っていた。……だからダメだと云ったのに…… (09/27 00:06)

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