昼行燈83「夢は眼下に」
海を眺めていた。限りなく透明で懐かし気で自分を何処までも蕩かせてくれそうな海。大好きな青。青というよりアズールの青だ。ラピスラズリの青。
もっと好きなのは紺碧の青。海外の人にはアズールの青と何処が違うだろうが、俺には全く違う。紺碧には、濃い青色の『紺色』と強い青緑色の『碧色』とが混ざっているのだ。紫を帯びた濃い青色、黒みを帯びた紺色、藍がかった濃い青色…藍染の色とも云えなくもない? 俺にはどう表現すればいいのか分からない。
透かして見れば淡いブルーの広がり。時空が揺蕩っている。俺を弄んでくれるに違いない。拒むことなく何処までも受け入れてくれるだろう。
海…俺は海面を眺めてる。測地学的には海洋の平均的な高さ(平均海水面)を示すらしいが、俺が眺めているのは、海洋の水面、表面…そう海水面だ。
海面は千々に波立っている。数知れないさざ波たち。拾い切れない紺碧に輝く海月たち。それとも瑠璃色の結晶たちなのか。
遥か眼下の宝石の揺らめき。そこが俺の夢の塒となるはずだ。崖の際からほんの少し弾むだけで夢が叶うだろう。
(末尾の画像は、「海面上昇とは?原因や日本や世界への影響、対策をわかりやすく解説 - SDGsメディア『Spaceship Earth(スペースシップ・アース)』」より)
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 昼行燈125「夢の中で小旅行」(2024.11.26)
- 昼行燈124「物質のすべては光」(2024.11.18)
- 雨の中をひた走る(2024.10.31)
- 昼行燈123「家の中まで真っ暗」(2024.10.16)
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
「ディープ・スペース」カテゴリの記事
- 昼行燈124「物質のすべては光」(2024.11.18)
- 昼行燈118「夢魔との戯れ」(2024.09.05)
- 昼行燈115「ピエロなんだもの」(2024.08.26)
- 昼行燈111「長崎幻想」(2024.08.09)
- 昼行燈109「日蔭ノナクナツタ広島ノ上空ヲトビガ舞ツテヰル」(2024.08.06)
「創作(断片)」カテゴリの記事
- 昼行燈123「家の中まで真っ暗」(2024.10.16)
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
- 昼行燈121「お萩の乱」(2024.09.20)
- 昼行燈120「小望月(こもちづき)」(2024.09.17)
- 昼行燈118「夢魔との戯れ」(2024.09.05)
「ナンセンス」カテゴリの記事
- 昼行燈125「夢の中で小旅行」(2024.11.26)
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
- 断末魔(2024.10.01)
- 昼行燈121「お萩の乱」(2024.09.20)
- 昼行燈120「小望月(こもちづき)」(2024.09.17)
「ジェネシス」カテゴリの記事
- 昼行燈124「物質のすべては光」(2024.11.18)
- 昼行燈118「夢魔との戯れ」(2024.09.05)
- 昼行燈115「ピエロなんだもの」(2024.08.26)
- 昼行燈112「サナギ」(2024.08.12)
- 昼行燈111「長崎幻想」(2024.08.09)
「あの日から始まっていた」カテゴリの記事
- 昼行燈125「夢の中で小旅行」(2024.11.26)
- 昼行燈124「物質のすべては光」(2024.11.18)
- 昼行燈118「夢魔との戯れ」(2024.09.05)
- 昼行燈117「夏の終わりの雨」(2024.09.04)
- 昼行燈115「ピエロなんだもの」(2024.08.26)
「昼行燈」カテゴリの記事
- 昼行燈125「夢の中で小旅行」(2024.11.26)
- 昼行燈124「物質のすべては光」(2024.11.18)
- 昼行燈123「家の中まで真っ暗」(2024.10.16)
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
- 昼行燈121「お萩の乱」(2024.09.20)
コメント