昼行燈87「円らな瞳」
布団が重苦しいのだろうか。というか、そもそも布団など被ったことはない。いつも着の身着のままで寝てる。布団にくるまれてるはずが、気が付いたら布団に雁字搦めになって気が付いたら、どこぞの川にでも放り込まれて…。
焦ってるわけじゃない。だけど何故か藻掻いている。何かが圧し掛かっている。あまりに似たような夢を繰り返し見るから、そのうち目が覚めると高を括っている。開き直ってる。
だけど、今夜のはいつもと違う。何か変だ。夢には違いないのだが妙にリアルに苦しい。目は開いているはずなのに、真っ暗闇。闇の中で真っ黒な猫がゆうゆうと歩いていく。こっちのことなど知らん顔だ。どうして漆黒の闇の中で黒猫が見えるのか。陰翳の蠢きが気配となって感じられる? 晦冥(かいめい)の時なのか?
助けてくれよ。知らない仲じゃないだろう? 黒猫に救いを希った。
すると、奴は俺の目をまっすぐに覗き込んでくれた。その円(つぶ)らな瞳が俺を助けてくれた。奴ったら俺の上に乗っかってたんだ!
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