昼行燈88「眠れない」
それが夜、寝入る間際になって思い出されてしまったのだ。蒙昧と曖昧は似てるか。いや、違う。蒙昧は無知蒙昧って四字熟語があるくらいで、要するに無知で素養がなくて、一言で言ってモノの道理の分からないってことだ。
曖昧は、はっきりしないことで、知識や情報不足ってこともあるが、少なくとも無知ってことはないだろう。
それより気になったのは「昧(まい)」だった。蒙昧にも曖昧にも使われてる。そういえば、三昧にもだ。明日調べよう! …ああでも気になって眠れそうにない。辞書を引くのは億劫だし、スマホで調べるか。ということで、灯りを点けてスマホを手にした。
やれやれ細かいことが気になるって性分にも困ったものだ。
「「昧」とは? 部首・画数・読み方・意味 - goo漢字辞典」によると、「①夜明け。夜明けのうすぐらいとき。「昧爽(マイソウ)」 ②はっきりしない。あやふや。「曖昧(アイマイ)」 ③道理にくらい。おろか。「蒙昧(モウマイ)」」だって。
そうか、「昧」とは、「①夜明け。夜明けのうすぐらいとき。」なんだな。夕暮れ時の薄暗いのは、「昧」じゃダメなのかな。ウーム。分からない。何処かにちゃんとした説明があるのかな。夕暮れの薄暗さと夜明けの薄暗さの異同は?
おや、その前に、「三昧」はどういう意味だ? 仏教臭いな。面倒そうだ。下手に触ると泥沼に嵌りそうだ。ますます眠れなくなる。
といいつつ、気が付くと調べていた。「三昧(さんまい)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書」によると…ああ、やっぱりだ。七面倒くさい。もう説明文はパスしよう。
何だってこんなことに拘るんだ? …自分には言わずもがなと分かっていた。コロナ禍の影響だ。そうに違いない。あの時期から、もともと鈍臭かった俺の頭が一層、愚鈍になっちまって、何を考えても曖昧でついには蒙昧になって、世界が風景が生活の輪郭がぼやけてしまった。掴みどころが無くなってしまったんだ。真っ昼間でも薄暮のような曖昧模糊。目の白内障が、脳味噌まで白内障になったようだ。靄が常に。モヤモヤ。ああ、今夜も長い夜になりそうだ。
(画像は、参考にならない拙稿「虫の息…長き夜を渡りし至福かみ締める」より)
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