昼行燈60「酔 漢 賦(河川名篇)」
大体、おめえの女房はホントに遠賀なのか、ええ? あんな女を斐伊、斐伊、言わせてたのか、加古悪いったら、荒しない。那珂(中)せるぜ。紀の毒だね。
そっちこそ、お前の古女房は熊野ような顔じゃねえか。鈴鹿、鏑(かぶら)でもやろうかい。川内(せんだい)の小矢部の顔を見てみたいよ。まるで物部姫じぇねえか。その女房が寝取られて、これがホントの鬼の入間の洗濯ってか。木曽天海な話だね、ホンマ。
なんだと、吉野言ったな。あれだって昔は吉川信濃似だったんだぞ。帷子なぎさちゃんにも似てたしな。松たか子にも似てたしな。野川由美子にも似てたような。俺が胃炎を、じゃない離縁を迫ったら、松とくれって泣いたんだ。庄がないから、鬼怒鬼怒の別れはやめたんじゃねえか。そしたら、ほん利根って泣きやがったよ。あいつのあそこは、昔は浅瀬で締まっとって、中津川へ出したら気持ちよかったのに、今じゃ広瀬で、もう都幾(土器)めかないなあ…。
おっと、そっちだって顔は虻と熊で最上(狼)みたいじゃねえか。迫られて無理矢理結婚して、ベソ掻いて、大井、大井と泣いたってえじゃないか。釜無野郎め。あんな女と姫事か。あんな女と安部っくか、可哀想に。常願寺じゃないね、まったく。ホントに久慈運が悪いね。早いとこ別れな!
何を! 木曽! 矢部えこと言うなって。もう、石狩心頭だ。頭が桐生そうだ。
おお、怒ると一層、赤くて北ねえ顔になるねえ。鮭でも飲んだか?
井田! 多々良いたな。大分(大井た)! 多摩らんぞ。
太田、太田すんじゃねえよ。あ、く犀! 長長門矢場いもん、出しやがったな。
フン! 碓氷のを出しただけよ。由良由良漂って、井田ろうが。ざまあ、宮がれ! 宇陀宇陀すんな。もう、金剛は小田まり!
(03/04/06 記。画像は、「神通川 - Wikipedia」より)
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