昼行燈14
眼下の敵は誰だ。それはお前自身。
たらーりと溢れ零れる涙と汗と涎が、鍋の恰好の隠し味。
女肉のやんちゃなごった煮に血の涙と鉛色の涎を垂らしてる。
溢れる膿で何一つ見えない、分からない、聞こえない、言葉にならない。
生まれながらに踏みつけの運命。腸までもが貪り食われる。
食い意地が凄いって。焦がれるだけ焦がれて手をこまねいて、口はあんぐり。
そりゃそうだ。咽頭弁が塞がってるんじゃボケーと昼行燈するしかないよな。
だったら、自分で自分を焼き焦がすまでだ。肺腑までを剥き出しにしてやる。先手必勝だもの。
先手必笑、これしかないじゃないか!
(画像は、魲 万理絵作『濁濁濁(だくだくだく)』(制作年:2010年 技法:マーカーペン、紙 サイズ(HxLxD):465x534 mm) (画像は、「作家紹介|ART BRUT FROM JAPAN」より))
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