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2023/10/13

昼行燈14

Daku 「先手必笑」

 肉は煮え滾る鍋の中に。
 視線と肉欲とのごった煮鍋。
 眼窩は胃の腑に直結し、煮えくり返る腸が高嗤いしている。

 眼下の敵は誰だ。それはお前自身。
 たらーりと溢れ零れる涙と汗と涎が、鍋の恰好の隠し味。

 女肉のやんちゃなごった煮に血の涙と鉛色の涎を垂らしてる。

 溢れる膿で何一つ見えない、分からない、聞こえない、言葉にならない。

 生まれながらに踏みつけの運命。腸までもが貪り食われる。
 食い意地が凄いって。焦がれるだけ焦がれて手をこまねいて、口はあんぐり。

 そりゃそうだ。咽頭弁が塞がってるんじゃボケーと昼行燈するしかないよな。

 だったら、自分で自分を焼き焦がすまでだ。肺腑までを剥き出しにしてやる。先手必勝だもの。
 先手必笑、これしかないじゃないか!

 

(画像は、魲 万理絵作『濁濁濁(だくだくだく)』(制作年:2010年 技法:マーカーペン、紙 サイズ(HxLxD):465x534 mm) (画像は、「作家紹介|ART BRUT FROM JAPAN」より))

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