昼行燈(番外)
星々は何も語らず、ただ天にあり、地にある。
天の底、地の果てにあって、輝きを放ち続けている。
無辺大の凍て付く時空を光で満たそうと、懸命の、しかし儚い試みを続けている。
窓辺でボクは星たちを眺めている。
手を差し伸べても、窓枠をほんの少し食み出すだけ。
星の煌めきがボクの瞳を心を射抜いている。刺し貫いて、ボクを居たたまれないほどに戸惑わせる。
ボクは居ても立っても居られない。じりじりする想いが沸き立っている。
ついさっきの夜中の冒険。屋根裏部屋から這い出、屋根瓦を這い蹲って、昼間、こっそり掛けておいた木の梯子を伝って外へ、遠い世界へ旅をしてきたんだ。
真夏の夜の小さな冒険。
やぶ蚊と蛙の鳴き声と、カラスか何か鳥の喚き声だけがボクの連れだった。
月は雲に隠れていて、灯りのない田舎道を歩くのは難儀だった。怖かった。星々だけが冷徹なほどに暖かくボクを見下ろしていた。
(拙稿「星だけが知っている」より)
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