2023/10/31
2023/10/27
2023/10/26
昼行燈23「石ころ」
「石ころ」
ボクは体の中の石ころにムカムカしていた。どうやっても、体内の石ころを取り出すことができない。胃の中あるわけじゃないらしいから、吐くこともできない。
時折、首筋の辺りに石ころの奴、移動するらしくって、そうなると、大変。ノドチンコと石ころとで喉が狭まって、息が詰まる。ほとんど、喘ぐように息をする。
まるで、そうだ、コンクリートの道路の片隅から生えてくる雑草。僅かな透き間を見つけて、辛うじて生きている。
ま、やつ等ほど、ボクはタフじゃないんだけど。
2023/10/24
昼行燈21「青い雫」
「青い雫」
台所の流しから絶え間なく雫の爆ぜる音が聞こえてくる。
何処かのパッキンを新しいのに換えれば、それで済む。
でも、動くのが億劫なのだ。
静か過ぎる部屋。俺は水滴の洩れるのが気になるのは、その静けさのせいだと思いたいのだ。
あいつがいなくなって、まだほんの数日しか経っていない。なのにこの侘しさと来たら…。
(うんざりだ!)そう胸の中で呟く声が響きそうなほど、静まり返っている。
2023/10/23
2023/10/20
2023/10/19
昼行燈17「ピエロは嗤う」
「ピエロは嗤う」
ピエロは嗤う。あなたを、世間を、世界を、そして自分を。
えっ、舌をペロッと出してるって? ベロが鏡に釘付けされているのさ、なんて言って信じる? あなた。
心は殴られ潰されてしまった。涙の河は行き場を失い眼窩へと流れ込む。
サテンだったはずの衣裳は、まるで心と体を甚振るように、風と戯れる。風に舞う。
2023/10/17
2023/10/16
2023/10/15
2023/10/13
2023/10/12
昼行燈13
メデューサ。眺めるものを石に変えてしまう、髪が数知れない蛇の蠢く美神。
鑑賞などといった、やわな言葉が美術や絵画の世界に使われるようになったのは、いつのことなのか。きっと、絵画作品が美術館に収められ一般大衆に、これみよがしに展覧させるようになってからではないか。見てもいい、しかし、触れては成らない。触れていいのは選ばれた者のみ。
選ばれたものは、美女(美男)と一夜を共にする特権を得たものは、鑑賞に止まるはずがない。
美を手中にした(かのような幻想に囚われた)者は、美を眺める。眺める、観るとは、触ること。絡むこと。一体にならんとすること。我が意志のもとに睥睨しさること。美に奉仕すること。美の、せめてその肌に、いやもっと生々しく皮膚に触れること。撫でること、嘗めること、弄ること、弄ぶこと、弄ばれること、その一切なのだ。
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