なにがゆえの悪夢だった?
自分のトラウマは、物心付いたかどうかの頃の、手術台でのこと。横たわって全身麻酔されて意識を失いそうで消え切らない末期の眺め。それは闇の中の真上の眩しすぎる照明。手術台の上の闇と光の交合。煌めくメスと肉の深き交合。口唇口蓋が深く切り裂かれて、心身の中までが抉られているという感覚。吾輩はただ無力だった。 [「手術台の上の闇と光の交合」より]
[夢の話]
夜半過ぎ、ブログ日記を書こうとしながらも、いつ書くか迷っているうちに、リクライニングで転寝。が、嫌な夢で起きる羽目に。
なんと、夢の中でだが、人を殺してしまった。場所はどうやら我が家の中。庭の一角で溝の整地らしきことをやっていた。気が付いたら家の中に。奥の座敷か仏間で、諍いってほどのことはなかったのだが、小柄な男(知り合いとは思えない)を突いたか何かの拍子に相手を倒し、なんと奴は呆気なく死んでしまった。
死んだかどうか確かめたわけじゃないが、死んだと思った吾輩は、動転するも逃げることも叶わず、庭に出て大きな溝の脇にいた。溝に砂利じゃないが、黒っぽいのと白いのとが混じったような堆積物が邪魔で何とか取り除こうとしている。
そこへ近所の人がやってきて、家の脇を掠めていったり、家の中に入っていったり。
幸い、死体には気付かない。でも、時間が経てばいずれ誰かに気付かれる。
どうしたらいい? 内心焦りの気持ちが募る。こんなことが自分に起こるなんて。夢であってほしい。でも、どう振り払っても夢じゃない。
そのうち、幸いにも目覚めた。夜中どころか未明に近い三時頃だった。目覚めても、あの<事件>は確かに起きたことという感が強いまま。あれが夢だったと確信するのに手間取ってしまった。一体なにゆえの悪夢だったのだろう。
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