海月為す
喉の奥の違和感が消えない。口蓋の揺らめき。咽頭弁がクラゲを真似ている。息の流れが襞を嘗めていく。言葉が生まれつつあるのか。それとも音韻の胎動なのか。何時か意味ある波を描くだろうか。波動は無数の音の断片の寄せ集め。赤い闇の奥からの読み解き得ないメッセージ。
ああ、また赤黒いマグマが口から噴き出すのか。それとも噴出し得ず、喉を塞ぐに終わるのか。胃の腑の喚きは大地の微動に呼応してはいないのか。ただの喚きに終わるのだろうか。凝り固まった溶岩の底に私はいないのか。あっても全ては熱気に解け蒸発し去ってしまうのか。
[トップの絵:小林 孝至作 「曲線」 (「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より)]
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