あの日から始まっていた (* 番外編)
ぬたが好きである。食べ物のぬたではあく、ぬたという言葉が好きなのだ。ぬたはぬめった感じからして何処かぬめりに通じるところがある。あくまで語感の上での連想に過ぎない。郷土料理として愛している方たちには申し訳ない。吾輩も好きである。
ぬめりからしてヒルやナメクジ、ミミズなどを連想する。殻を忘れたカタツムリとか。これらは決して仲間なんかじゃないが、似た者同士の輪に加えたくなる。
余談だが、「ミミズには目が無いが、光を感じる細胞があり、暗いほうへ這っていくため、目で見ることができない動物の意味から、「メミズ(目不見)」が転じたとする説が有力である。また、土の中にすみ日光を見ないことから、「ヒミズ(日見ず)」の転も考えられる」とか。他にも説があるようだが、もうやめておく。
そうそうぬめりからして忘れちゃならないのが、プラナリアである。
プラナリアは、「自由生活性の扁形動物は、体表に繊毛があり、この繊毛の運動によって渦ができることから、ウズムシと呼ばれる」とか。また、「Planariaは「平たい面」を意味するラテン語planariusに由来し、plain「平原」やplane「平面」と語源が共通である」とも。そうだったのか。
創作に凝っていた頃、いつかは「プラナリア」と題する小説を書きたいと密かに構想を練っていたものだが、なんと、機先を制するかのように、吾輩の企みを察知したかのように、山本文緒さんがまさしく「プラナリア」と題する小説を公表されてしまった。好評のようである。悔しくて、その事実から目を背けてきたが、惜しくも亡くなれたし、そろそろ読む潮時なのかもしれない。いつまでも逃げていてはいけない。
ということで、本日は、「あの日から始まっていた」の番外編として、「あの日から始まっていなかった」を書いた。
(画僧は、山本文緒著『プラナリア』(文春文庫))
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