真夏の夜の夢風なモノローグ
螽斯と蟋蟀が静寂の中で真夏の夜の豪奢を貪っている。草を食むのか蜘蛛の巣を喰い破っているのか。鬱勃の闇の大地に蜜蜂の骸そして蝉の脱け殻。蚯蚓までが喘ぎのたうっている。
枝から舞い落ちる羽根は月影に末期の笑みを想わせる。望みが今たった今萎んでしまったのだ。嗤うしかないだろう? 造化の妙を至福の饗宴を咀嚼しようじゃないか。瞼を閉じるんだ。星々の玲瓏なる零度の音楽に聴き入るんだ。蜘蛛さえ眠りこけている今みんなで寡黙な蝶々の囁きを愛でようじゃないか。
参考:「鬱勃の闇」
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