熊に襲われそうに
びっくりしたが、下手に動くと奴に気付かれそうで、奴の動きをただ見守るしかなかった。奴は部屋の中に侵入しようとしていたが、鼻先がガラス窓に遮られ、暫くすると諦めたのか鼻先の白い毛は見えなくなった。私はそっと上半身を起こし、外を窺った。すると、眼下に広がる雪原を2頭の巨大な熊たちが右から左へと雪煙を立てつつ疾走していくのが見えた。
これはまずい、兎に角当局に連絡しなきゃとベッド脇の椅子に懸けておいたズボンのポケットをまさぐった。が、スマホがない! そうしてる間になんとまた熊の鼻先が見えるではないか。しかも、鼻先が鼻面になり……と、今度は窓を抉じ開け出している。頚先まで入っている! 私は焦った、早くスマホを取り出さないと(後で思うにそんなことをしてる場合じゃなかった筈だ)! ああ、もう間に合わない、兎に角奴を追い出さないと。私は奴を蹴り出そうと、脚で奴の頭を蹴ろうとした……のだが、脚がいうことをきかない、動かない!
その瞬間に目覚めた。ああ、夢だったのか、である。我輩、例によって読書しているうちに寝落ちし、リクライニングに体を沈めたまま寝入っていたのだ。どうやら寝る姿勢が悪く、足先か目の前のテーブルの脚にぶつかり、身動きが取れなくなっていたようだ。熊を蹴り出したくてもままにならない窮屈さ。それにしても、何故、熊なんだ? どうやら月の輪熊っぽかったが。
(6月1日早朝の夢)
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