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2018/09/10

猫…生まれいずる夢

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→ A・ビアズリー によるポーの『黒猫』への挿絵、1894年-1895年 (画像は、「 黒猫 (小説) - Wikipedia 」より)

 吾輩は猫である。名前はまだない。そもそもまだ生まれていない。これは困った。この世に居ないのでは話にならない。そこで吾が輩がこの世に生まれるべく雄猫と雌猫を出逢わせることにした。そう、まだ我が親たる雄と雌とは出会してもいないのだ。話以前のお粗末ぶりで、面目ないことこの上ない。だが、それは不都合ばかりとも言い切れない。なぜなら、これから最上の親を、極上の雄猫と雌猫とを探し出せばいいのだから。さすれば、至上の吾が輩が日の目を見ることになるではないか!

 が、ここでまたはたと困った。一体、我が輩は猫であるとして、雄なのか雌なのか。かの先達は察するところ、多少欠陥が目立つのは気になるものの立派な男児、雄であったようだ。子孫たる我輩も、惰性というか安易にも我輩などと自称しているのだが、雄でないかもしれない、素敵な雌かもしれない! 困った。まず、自称からして我輩などと決めつけるのも拙速の謗りを免れない。ああ、我が輩は一体、雄なのか雌なのか。いや、わたくしは男なの女なの、神さま、教えて!

 いかん、いかん、つい弱気になって神頼みしちまった。我輩、もとい! わたくしは雌雄不明では、親探しなんて論外じゃないか。ん? 関係ないか。雌雄を決するのは親に決めてもらえばいいだけのけと。それこそ、杞憂だ。ということで、いよいよ我が親探しの旅が始まったのだった……というところで目が覚めた。
 夢の話というより、ただの想念。

(「ルソー『告白録』から『セックス・イン・ザ・シー』へ!」(2018/09/05)より)

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