木偶の棒……
白いシャツで覆うと、丼大の黒い腫瘍は目立たない。覗き込まれない限り。
私は気づかれないうちにと、隣の部屋へ逃げ込む。
すると、そこに一人の男と、二人の女がいる。
私はそのうちの男女二人に責められている(ように雰囲気で感じている)。お前はそんなあやふやなことでいいのかと、難詰されている(ように感じる)。相変わらず木偶の棒でいるだけの私を見て、いい加減、いら立ちを隠せない男は、こうするんだとばかり、女の髪を掴んで引きずりまわす。女なんて、こうすりゃいいだとばかりに。
男は女の亭主なのか。女は、何処かで見かけたことのあるいい女。私の影のように存在してきた女。
だけど、長い髪を垂らしているので顔が見えないし、表情だって分からない。でも、あの女だと直感している。自分じゃ認めないけど正体は知っているのだ。
私の臆病であやふやな態度が女を追い詰めている。とうとう土壇場に来たのだ。女は男に首根っこを掴まれ、男の股間に顔を押し付けられる。
まさか、そんなことを、こんな人が見ている前で!
でも、男は躊躇しない。お前が悪いんだ、これがお手本だとばかりに、女の口を男の一物に宛がう。女は一瞬、躊躇ったが(あるいはただ羞恥で躊躇ったように見えたと、自分が思いたかったのかもしれない)、男の手の押し付けるがままに、一物を銜え、しゃぶり始める。
羨ましいという思い。ホントだったら、自分が男の立場のはずだったのに、そのチャンスを自分でみすみす逃してしまったという惨めな思い。オレのせいで女は衆人環視の下、あんな目に。
オレはイマラチオを喜んでする女を見つめるばかり。長い髪で表情は見えない。でも、喜んでいる……嫌がってはいないことが分かっている。後ろに立つ別の女も、あんたはこうでもしないと、女の気持ちが分からないのよと、表情で伝えていることが痛いほど分かっているオレ。
そのうち、さらに奥にある隣の部屋にいる自分に気が付く。そんな中で、ああ、あの男は今話題の男ではないか(日本どころか世界中が知った政治家)。お前なんぞ、手をこまねいているだけの奴だと、嘲笑していた。オレはダメな奴なんだ。そこには父や母もいるようだ。日常いた…… 何もない…空白……
[この後の内容は忘れた。夢は14日未明に観ていたもの。すぐにメモすればよかったのだが、(午前中、病院へ行かなきゃという思いがあり、実際に行ったこともあって)つい怠り、昼過ぎにメモッった。夢のえげつなさや生々しさは相当薄まってしまった。]
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