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2017/01/03

首都高速に迷い込む

[これはなぜかよく見る夢のヴァリエーション。舞台は首都高速のインターチェンジ]

 私は、パワーのない車、電動の車椅子のような小さな車に乗っている。あるいは中古のバイクかもしれない。
 目の前にコンクリートの斜面が迫ってきた。その斜面を登るしかない。

 私の車のパワーでは登るのはギリギリか、もしかしたら、登りかけても、途中からズルズル滑り落ちてしまうかもしれない。
 内心、無理に決まってると思っている。後ろには、友人の車が。彼も私のあとを追うはずだ。だから、私の様子を見守っているのだ。
 けれど、えいやっと登ってみると、辛うじてだけど、斜面を登り切ることができた。冷や汗タラタラであったけれど。

 ただ、登れたのがホントによかったのかどうか、分からないと、あとになって気づかされる。
 コンクリートの斜面はまだまだ続く。最初の斜面ほど急でないだけで、坂の行く先は見えないほどだ。
 車をフルパワーにして登って行った。滑り落ちようとするのを堪えるのがやっとなのを、無理を押して登っていく。

 上っている斜面は、何処かのインターチェンジ。コンクリートの壁面の向こう側には、車道があるが、うっかり迷い込もうなら、車の渦に呑み込まれるに違いない。
 私は壁面のこちら側のコンクリートの面を這うように登っていた。が、とうとう限界を感じた。もう、これ以上、にっちもさっちもいかない。

 車をコンクリートの壁面に寄りかからせて、私は今度は斜面を這いつくばるようにして登って行った。
 一体、どこまで来たのか分からない。

 気が付くと、私は何処かのビルの一角に居る。インターチェンジの施設のビルのようでもあり、デパートか何かのビルの裏階段のようでもある。コンクリート打ちっぱなしというのか、まさにコンクリートの壁面や床面が剥き出しなのである。
 もう、ビルの閉館時間なのか、出ないと行けない。
 けれど、私は、あの車を取りにいかないといけない。
 私がいるのは、渋谷の辺りのようだ(夢の中では最後に必ず渋谷が舞台となる)。

 その渋谷からは、車のあるはずの場所まではかなり遠い。新宿か赤坂か。さらに、インターチェンジの交差も半端じゃない。やたらと入り組んでいる。何処をどう伝っていけば、私の車の在り処へたどり着けるか、見当もつかない。渋谷からは青山方面もあるし、新宿方面もあるし、そもそも渋谷からは幾つも路線が交差し放射していく。環状線だってある。

 人影疎らな渋谷のビルからは、それでも数組の人たちが出ていくのを目にする。
 その誰かのあとについて行けば、渋谷のビルからは出られるのだろうが、私の行く先へは、誰も教えてくれない。
 私の車へは、どうやったら辿り着けるのだろう。


[大概、渋谷で途方に暮れる状態で目が覚める。どうして首都高速の交差する路線の、しかも、何処かの地下の一角で巨大で複雑な、まさに迷路のような首都高速のビル……か斜面の一角なのか、全く見当も付かない。]

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