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2017/01/24

君はピエロ 僕もピエロ

 何だろう、やたらと淋しいじゃないか。
 淋しいというより、心が張り裂けそうだよ。
 そういえば、夕べ見た夢にピエロが現れたっけ。

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 ぼくを笑わせようと、懸命になって、身を捩らせてまで滑稽な踊りを披露してくれていた。
 ぼくは笑いたかったんだよ。君に逢えて嬉しい。君がぼくのそばを通り過ぎたりしないでさ、足音を響かせてまで、ぼくの気を引いてさ、そうして氷雨の夜、町の片隅で身を凍らせてまで、剽軽な踊りを見せてくれたんだよね。
 なのに、ぼくはまるで知らん顔して、闇の底を呆然と眺めているだけだった。

 きみに恨みはないのに、君に鬱憤を晴らしている。
 いや、そんなつもりはないんだ。ぼくには何も見えないんだよ。
 ああ、ぼくは臆病なだけなのさ。

 ぼくにも心があれば、あるって信じたいんだけど、君を追いかけていったに違いない。追い縋って、ぼくを助けてくれ、ぼくを見捨てないでくれって、泣き叫んでいたはずなのに。

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 ぼくの心って奴は、縮こまってしまって、どうにも解せなくなって、脳味噌の隅っこで、頭蓋の底で、眼窩の縁で黒子(ほくろ)のようにへばりついている。
 君の姿さえ、見えない。見えているのに、見えない。

 ぼくを励ます君。色とりどりの、ホント、派手な衣装を身に纏って、氷の中で踊っている。
 今にも息絶えそうなのは、君のほうじゃないのか。風雨に擦り減った夏服を真冬に羽織って、寒々しいったらありゃしない。
 動かないといけないのは、ぼくなんじゃないか。

 路上に倒れ込む君を幾度ぼくは見捨てたことか。泣き崩れる君を石ころのように蹴飛ばしたぼくだった。
 ああ、ぼくは悲しいのだろうか。淋しいのだろうか。臆病なんかじゃなく、滑稽なのはぼくのほうじゃないか。
 嗤ってくれよ、ぼくのこと。

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 コンビニの寒々とした蛍光の光さえ、ぼくには届かない。君の後光のような輝きは、ぼくには眩しすぎる。
 路傍の花の君。路肩をわざとのように無視するぼく。
 そんな恋なんて、あっていいのだろうか。
 ああ、君はホントにピエロだよ。そしてぼくもピエロだ。

                               (2017/01/22 作


*本稿に掲げた作品は、いずれも「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」中の「ギャラリー2016」より。

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