ボクのブルー
青色が好きなのは、空の青、海の青が好きだから…なんかじゃない。
ブルーが好きなのだ。
← そらい@抽象画 作品名不詳。油彩かな。「sorai(そらい)」へ!
ブルーの心が眸の中に漂っている。
それとも、ホントはグレイの脳味噌のはずが、悲鳴を上げてヒートアップして、青く発熱しているのかもしれない。
何も分からないのだよ。世界が揺蕩っている。どよーん、どよーんって、揺さぶられる潮のざわめきが煩いほど聞こえてくる。
膿が浸潤して、骨も血管も腱も筋も、そして肺腑だって崩れ始めている。
おっと、ボクは元気なんだよ。元気すぎるくらいなのさ。
ただ、熱気の持って行き場が分からない。当てずっぽうな情熱が透明なガラスの球体の中で乱反射している。ガラスは鏡のようにピカピカで、ボクの息さえ、漏らすのを許さない。
窒息しそうなほどに、ボクは自由を感じている。
迸る血気が内部へ内部へと落ち込んでいく。
すべてが青い血の海に溶け込み、溺れ込んでいく。
キュウイの緑も、サクランボの赤も、オレンジの橙も、バナナの黄色も、みんな輪郭を失って、仲良くなって、ボクとアナタとも寄り添って……
なのに、どうしてみんなこんなに孤独なの?
寂しいとか、悲しいとか、逢いたいとか、聴き飽きるほど、誰もが叫んでいるのに、届かないなんて、そんなの、信じられる?
→ そらい@抽象画 作品名不詳 油彩? アクリルじゃなさそう
ああ、仲良くなるって、みんなブルーの海に馴染んじゃうってことじゃないんだよ。
みんな、それぞれでいいんだよ。
だからさー、みんな、ボクのブルーに染まらなくていいんだってば。
町が蒼褪めてるってわけじゃないんだし。といって、蒼穹の空が拡がってはいないけどさ。
ああ、ボクには何も見えないみたい。何もかもをブルーにしてしまう。
ボクは、生きているだけで、罪な奴なの?
生きたい、愛したいって、叫んでいるだけなのに……
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