曝け出すしか
野中に立ち尽くす一本の木。風も光も独り占め。
荒野に屹立している? とんでもない! 奴は独りぼっちなのだ。人に和すこともできず、人に抗うこともできない。ただ、孤立している。
→ 絵画錬金術師ドクターカオス作「些細な事で弱虫」 (画像は、「絵画錬金術師ドクターカオス(@takayuki419)さん Twitter」より)
何だってこんなところに迷い込んだのか、自分では到底、分からない。強がりたいけど、誰かに縋りたい気持ちは隠しようがない。
ああ、だったら、そんな愚かで弱気な自分をこそ、曝け出して見せるしかないではないか。
泣き叫んでみようか。喚いてみるか。
何をやっても無駄。声は風に呑まれ、深刻ぶった顔は風に嬲られ引き攣ってしまうだけ。
虚勢など、張っても無駄なのだよ。曝け出すしかないのさ!
(原文は、「孤立した木が雪と風に」(2015/05/29)より。一部、加筆。)
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
- ローンライダー(2024.10.02)
- 葬儀…痛恨の思い出(2024.10.01)
- 断末魔(2024.10.01)
- 昼行燈121「お萩の乱」(2024.09.20)
「創作(断片)」カテゴリの記事
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
- 昼行燈121「お萩の乱」(2024.09.20)
- 昼行燈120「小望月(こもちづき)」(2024.09.17)
- 昼行燈118「夢魔との戯れ」(2024.09.05)
- 昼行燈117「夏の終わりの雨」(2024.09.04)
「ナンセンス」カテゴリの記事
- 昼行燈122「夢…それとも蝋燭の焔」(2024.10.07)
- 断末魔(2024.10.01)
- 昼行燈121「お萩の乱」(2024.09.20)
- 昼行燈120「小望月(こもちづき)」(2024.09.17)
- 昼行燈118「夢魔との戯れ」(2024.09.05)
コメント