曝け出すしか
野中に立ち尽くす一本の木。風も光も独り占め。
荒野に屹立している? とんでもない! 奴は独りぼっちなのだ。人に和すこともできず、人に抗うこともできない。ただ、孤立している。
→ 絵画錬金術師ドクターカオス作「些細な事で弱虫」 (画像は、「絵画錬金術師ドクターカオス(@takayuki419)さん Twitter」より)
何だってこんなところに迷い込んだのか、自分では到底、分からない。強がりたいけど、誰かに縋りたい気持ちは隠しようがない。
ああ、だったら、そんな愚かで弱気な自分をこそ、曝け出して見せるしかないではないか。
泣き叫んでみようか。喚いてみるか。
何をやっても無駄。声は風に呑まれ、深刻ぶった顔は風に嬲られ引き攣ってしまうだけ。
虚勢など、張っても無駄なのだよ。曝け出すしかないのさ!
(原文は、「孤立した木が雪と風に」(2015/05/29)より。一部、加筆。)
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