茶褐色の筵
桜並木。花々すっかり散って葉桜に。
路上には花びらたちの織り成すピンク色の筏(いかだ)。
行き交う人たちが、ただの通り道とばかりに踏みつけていく。
やがて、可憐な淡きピンク色が褪せて、茶褐色の筵(むしろ)に。
風が吹けば、その絨毯も消え去って、元のうら寂しい道がそこにあるばかり。
人は、そんな風景を眺めて、静かに佇む…こともなく、折悪しく降る雨に先を急ぐだけ。
富山の市街地の夕暮れの一齣。
| 固定リンク
« シラミの部屋 | トップページ | 出るに出られない »
「心と体」カテゴリの記事
- 明けない夜に(2025.03.20)
- 昼行燈126「眼差しという匕首」(2025.03.16)
- 孤独を託つ宇宙(2025.02.02)
- われは海の子(2025.02.03)
- 昼行燈125「夢の中で小旅行」(2024.11.26)
コメント