朕は国家なり
これは秘密だ。何が秘密なのですか。だから秘密だ。何が秘密なのか教えて下さいよ。秘密なのに、教えられるわけないだろう! 秘密があると漏らしただけでもヒヤヒヤしてるんだぞ。とにかく秘密があるんですね。いや、あるかないかも実は言えないのだ。
あ、さっきより後退しましたね。前進したか後退したかは見解の相違だ。秘密があるってこと自体は間違いないんでしょ。返答は拒否する。じゃ、秘密なんてないんですね。ないなんて情報は与えられない。あるかないかも語り得ないのだ。
答弁に誠実さが感じられません。俺の目を見ろ、真剣そのものだろう。あなたの目、目やにだらけで不透明です。君らは我が輩を信じておればいいんだ。そんな答弁する人が信じられますか。朕を、もとい、国家を信じられなくて国民と言えるか!
おりょ! 今、朕は国家なりと云ったな、役人ふぜいが! 聞き違いです。国家の忠実な従僕たる役人なので、その気持ちを吐露しただけです。お前を批判する奴は国家への反逆ってわけか。下手なことを言うと謀反の罪で逮捕するぞってか。こうしましょう。こうしましょう。おっ、話を逸らす気か。
違います。第三者委員会を作って、その場で秘密について審議するんです。ってことはやはり、秘密の存在を認めるってことだな。違います。あるかないかなんて言えません。その点を含め、有識者に論議してもらうんです。有識者? 第三者? どうせ都合のいい連中を集めるだけだろうが。
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