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2013/09/30

童話の世界

 子供の頃は多少なりとも童話的世界に誰しも親和性を持っていたりする。
 が、小学生になるころには早くもそうした世界から脱皮してしまう。世界をリアルに見る。というより、世界を見る世間や仲間内の常識や規則にガッチリ囚われていく。

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← 『Equilibrist』 (画像は、「pesare on deviantART」より)

 世界が奇妙に見えていたころ。子供の目線からは大人たちの世界がずっと高く見え、地べたの草や虫や花や、大地そのものが身近に感じられていた。

 恐らくは子供を見守る大人の配慮が子供を襲うだろう危険や危ない人を遠ざけていたのだろうが、子供は自分の力で…そう、魔力のようなもので、自力でサバイバルしていたのだった。

 大人からは童話的な思い込みに過ぎないのだとしても、物心付いて間もないほんの一時期、そんな魔的な時を生きることがあったのだろう。やがては通過してしまう。
 自分が無際限の力を持っており、無辺大の夢に生きていたことなど、恥ずかしくて人前では語れなくなる…封印してしまう…やがて、綺麗サッパリ忘れてしまう。

 大人の世界がリアルなのか、世界が奇妙に見えていた幼児の心の世界こそがリアルなのかは、比較してもあまり意味のない、それこそ建設的な話ではないのだろうが、世の中には時に大人になっても童子の柔らかな心性を保ち続ける人がいる。
 きっとそういう人は生きにくいのだろう。心の中の世界が豊かなのだろうとしても。

 童話の世界というのは「童話」の中にだけあるわけじゃないのだろう。
 きっと、心の中にある。
 だから、きっと都会の雑踏であってさえも、童話の心は息衝いている…。


Pete Revonkorpi 童話の世界はそこにある!

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