ツイッター小説(2)
富山には赤い糸電話がある。二つのタワーを繋ぐ赤い糸。夜は赤く光る。二人はそれぞれのタワーに上って、糸電話して、気持ちを確かめ合う。俺たちもそうだった。俺は大声を張り上げた。好きだよ!! 彼女、ええ? 下で誰かが、私もよって返事した。で、違う彼女と恋仲になったよ。
徹夜仕事の帰り。電車の揺れが心地いい。やっと片づけたのだ。頭がガンガンする。睡魔。なのに、仕事が気になって眠れない。何か瑕疵があるような。おい!と声を掛けられた。上司だ。思わず、さっと立ち上がった。勢い余って、何かを突き上げた…らしい。気が付くと男が倒れていた。
満員電車の中。誘惑に負けそうだ。若い女と密着して、女のお尻がオレの股間に嵌っているのだ。電車の揺れが欲望を掻き立てる。我慢できるはずがない。あれが先走りそう。女の襟足にオレの吐息が当たる。もう自制が効かない。その瞬間、急ブレーキ。オレは何処かのおっさんに向かって…
次は幾つ、バレンタインチョコが来るか、心配だった。変な噂が広まったのだ。俺はもらったチョコの倍返しをすると。昨年は百人からプレゼントが来た。返礼で何十万円、使ったことか。破産寸前だ。結婚することにした。もう、来ないだろう。が、彼女に毎晩、倍返しを迫られている。
窓辺にあの人の影が動いた。窓を開けそう。オレは慌てて木の陰に身を潜めた。あの人の姿を見ることができる。が、いつまで経ってもあの人は姿を現さない。やがて日が暮れた。でも、未練があった。ひと目、見たい!身動きが取れなかった。帰ろうか。すると、背後にあの人がいた!
窓に小石を投げた。これで気が付くだろう。が、気配はまるでなかった。そんなはずはない。あの人は、居る!ひと目見ないと帰るに帰れない。身動きが取れなくなった。しかし、日も暮れたのに、なぜ明かりが灯らない?我慢できず、家に近づき様子を探った。あ!オレは家を間違えていた!
女はしゃがんで後ろも見ずに、乗っていいのよと云った。乗っていい ! ? オレは信じられず、立ち尽くしていた。すると女は、何してんの、早く乗りなさいと云った。大丈夫なのか。?しかし、男たるもの、ここで断るわけにいかない。乗っかろうとした。すると、男の子が背負われた。
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