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2013/01/29

スノーノイズ

 二つの粘膜が重なり合っている。
 まるで縫合されたように、べったり重なり合っている。
 行き倒れの恋人たちのように、それとも、季節外れの濡れ落ち葉のように。

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 乾いた瘡蓋を懸命に剥がそうとする。
 腐った蓋の下に命が蠢いている気がして。
 粘着く膿の中に無数のスペルマが漂っている。

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 血糊のへばり付いた底を何かを探して執拗に。
 彷徨の果ての数知れない骸たち。
 死滅した世界。

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 命は映らぬテレビの砂嵐。
 宇宙線のように飛び交う砂塵の粒たちを目で追う。
 目玉に無数の穴が開くのも構わずに。
 もしかして水晶体の海を塵芥の墓場にしようというのか。

 豆腐に映っていた蘇らぬ夢。
 瑞々しさと生々しさとが水の中で実現していた。
 生まれいずる悩みのような夢が、水中花のように微笑んでいた。

Noise

 ああ、オレは夢を夢見る骸。
 水際の睡蓮。豊饒の膿と枯渇の空の狭間の浸透膜。
 飛び散ってしまったノイズの軌跡をひたすら追うウサギ。
 いつかは、散らばった骨や血肉の欠片たちを集め固めて形を取り戻すのだ。


 
挿入画像などは、以下より:
砂嵐 - Wikipedia
アナログ放送と砂嵐 - Eyes, JAPAN Blog
スノーノイズ - Wikipedia

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