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2009/10/18

母と息子の「カラス なぜなくの」談義

「からす なぜなくの」

「それはね、からすは山に かわいい七つの 子があるからよ♪」

「ふーん。ところでさ、山にいるのは七羽のカラスの子供なの、それとも七歳の子供なの?」

「それはね、からすの子供が待っているんじゃないの」

「えっ、じゃ、からすは、人間の子供が可愛いからって、カアカア鳴いているの?」

「バカだね、この子は。カラスの子供が七歳じゃ、とっくにお爺さんかお婆さんでしょ。とてもじゃないけど、丸い目をした いい子だよ♪ なんて、唄えるはずなわよね」

「分かんなくなってきた。からすが鳴いているんでしょ。巣に子供が居るからって、待っているからって。巣に居るのが人間の子なら、飛んでいるのは、からすじゃなくて、人間ってこと?」

「ばかだね、お前は。つくづく、我が子だね。人間が空を飛べるはずないでしょ」

「あーあ、ますます分かんないや。巣に人間の子供が待っているってことは、何? からすって、人間の子供を捕まえて巣に閉じ込めているの。その子供を早く食べたい、腹減った、と鳴きながら飛んで帰っているってわけ?」

「何て子だろうね、お前は。できることなら、お前の脳味噌と、カラスのと入れ替えてもらいたいもんだね」

「大体さ…。あれ、飛んでいるのがからすだったらさ、どうして、巣に子供を残しているんだろうね」

「それはね、親は餌を探し求めて、まだ幼い我が子を巣に残して働いているんだよ」

「ふーん、だから、母ちゃん、いつもいないんだね。父ちゃんは、でも、いつも家に居るよ。父ちゃんは、働かなくていいの。いつも、部屋でグータラしているよ?」

「いいの、父さんはね、夜、しっかり、働いてもらってるから」

「?????」

(「カラスのことあれこれ」より)

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