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2008/06/23

松川にて

 家にいる気になれず、あてもなく外に飛び出した。
 仕事にあぶれている俺。みんな優しくて、労わりの目で俺を見る。それが尚のこと、居たたまれない気分にさせる。年老いた父が畑で草むしりをしていた。その痩せ細った背中が、俺を責めているように感じられてならなかった。手伝えばいい。それだけのこと。でも、俺は逃げるようにその場を立ち去った。

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 春四月も五日となっていた。
 子供や学生たちなら、そろそろ学校が始まる頃か。時折、行き交う零れんばかりの笑顔の女の子たちの様子を見ていると、何となく憂鬱になってくる。
 いつの頃からか、春というと、新陳代謝という言葉を思い浮かべてしまうようになっていた。新鮮な細胞がドンドン芽吹き、圧倒するような速さで増殖し成長する。その勢いに押し出されるようにして、俺のような無能な人間は、隅っこへ、枠の外へと追い詰められていく。

 土の匂いが鼻を突く。草木はムンとするほどの生命力を溢れさせている。冬の間は姿を見せなかった虫たちが、あちこちで蠢きだす。
 なのに、俺の唇は乾き、腰は痛み出し、足取りは重くなる。

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2008/06/09

枯葉たちの祝祭

 昨日の都心での営業で、冬の到来を初めて実感した。
 季語的にはとっくに冬入りしている。紅葉も始まっている。木枯らしなど、とっくに吹いている。

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 でも、冬が来たという実感はなかった。今年は、特に(本当の)冬の到来が遅い。温暖化? ま、そんな大袈裟な話はさておいて、少なくとも昨日のポカポカだった日中までは、秋だよなー。せいぜい言っても晩秋だよなー、というのが実感。
 それが、そろそろ暮れ始めるかという頃から、北の風が吹き始め、都心にも木枯らしが吹き始めた。関東に限らないが日本の上空に寒気団が襲来しているからだとか。

 そして、夜。まさにこれこそ、木枯らしの本番だとばかりに、冷たい乾いた北の風が吹き、木立は揺れ、さすがに疎らになっていた葉桜の葉っぱも、吹き飛ばされ、裸の木となるのも時間の問題。
 東京の街路樹の中心である、イチョウ、コナラ、ケヤキなどが真っ黄色に変色して、強い風が吹くたびに、ドンドン千切られて空に舞い、地上に舞い散る。

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