月影に寄せて
「Mystery Circle」の「Mystery Circle 7-21締め切り分出題」参加作品です。
拙稿である「月影に寄せて」や「地球照」(ホームページは、「Let's watch the star! 星見にいこてば」)などを参照。
「月影に寄せて」
その顔は、月影で見るにはあまりに恐ろしかった。
奴は三日月の夜に現れるのだった。冴え冴えと照り映える三日月はまるで喉元の匕首(あいくち)だった。反り返った日本刀の切っ先が眼球を今にも刺し貫きそうだった。
病に臥して身動きのならない彼の心臓を容赦なく抉りそうだった。
今夜は月影が素敵に見えるはずだからと、消灯した際にカーテンを開けてくれた彼女の心配りが仇(あだ)となっていた。
満月でもないのに、青い光が部屋に満ち溢れていた。
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