花火大会の夜に
高校二年になって間もない頃のこと。
ボクは、ついに彼女とのデートにこぎつけた。
といっても、授業が終わって駅に付くまでの間の束の間のデート。
本当なら自転車で通っているボクだけど、彼女が最寄の駅まで歩いていくことを知ったボクは、自転車が盗まれてしまったと言い訳して、歩いての通学に切り替えていた。
そして、駅まで一緒に歩いていく。彼女は、結構、山のほうに家があって、授業が終わるとそのまま家のほうへ向い、家の近所にある琴の先生の家に行く。
ボクはというと、ずっと帰宅部。クラブというクラブには所属したことがない。集団行動が大嫌いなのだ。
せいぜい、二人が限界。
そう、彼女との二人きりの集団生活…。

→ 紫苑さんに戴いた日本三大祭の一つ大阪天神祭(他は、京都の祇園祭、東京 の神田祭)での花火の画像です。船渡御も花火も御覧になったとか。この画像を見た瞬間、花火にちなむ掌編を書いてみようかなと思い立ちました。
集団じゃないって? そんなこと、どうでもいいじゃん。
ボクはいつまで経っても、駅までの数分のデートに歯がゆい思いをしていた。
といって、琴の練習、お茶と、まるでボクには縁遠い生活を送る彼女に付け入る隙がありそうにない。
一緒に歩いてくれるだけでも、嬉しいと思うべきだ、そんな風に自分に言い聞かせていた。
そんなある日、彼女が駅の改札に消えていくのを見送った後、とある公園の脇を通りかかったとき、公園の片隅にあるブランコに高校生の男女がいるのを見つけた。
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