« 2006年6月 | トップページ | 2006年8月 »

2006/07/31

花火大会の夜に

 高校二年になって間もない頃のこと。
 ボクは、ついに彼女とのデートにこぎつけた。
 といっても、授業が終わって駅に付くまでの間の束の間のデート。

 本当なら自転車で通っているボクだけど、彼女が最寄の駅まで歩いていくことを知ったボクは、自転車が盗まれてしまったと言い訳して、歩いての通学に切り替えていた。
 そして、駅まで一緒に歩いていく。彼女は、結構、山のほうに家があって、授業が終わるとそのまま家のほうへ向い、家の近所にある琴の先生の家に行く。
 ボクはというと、ずっと帰宅部。クラブというクラブには所属したことがない。集団行動が大嫌いなのだ。
 せいぜい、二人が限界。
 そう、彼女との二人きりの集団生活…。
 Siontenjinhanabi
→ 紫苑さんに戴いた日本三大祭の一つ大阪天神祭(他は、京都の祇園祭、東京 の神田祭)での花火の画像です。船渡御も花火も御覧になったとか。この画像を見た瞬間、花火にちなむ掌編を書いてみようかなと思い立ちました。

 集団じゃないって? そんなこと、どうでもいいじゃん。

 ボクはいつまで経っても、駅までの数分のデートに歯がゆい思いをしていた。
 といって、琴の練習、お茶と、まるでボクには縁遠い生活を送る彼女に付け入る隙がありそうにない。
 一緒に歩いてくれるだけでも、嬉しいと思うべきだ、そんな風に自分に言い聞かせていた。

 そんなある日、彼女が駅の改札に消えていくのを見送った後、とある公園の脇を通りかかったとき、公園の片隅にあるブランコに高校生の男女がいるのを見つけた。

続きを読む "花火大会の夜に "

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/07/21

落句拾遺 7-1

 お待たせしました!
 七月の拙句(駄句・雅句・落句・川柳・標語etc.)をまとめて披露!
 ついこの間までは七夕の話題で持ちきりだったのに、濁流に押し流されるように、あれよあれよという間に文月も下旬。

 俳句に川柳に短歌に警句に標語にと、持ち味いろいろ。
「それにしても、ちょっと収穫が少ない。七月は頑張らなくっちゃ!」と思っていたのに、相変わらず不作気味なのが情けなく、また申し訳なく思う。
 それでも、楽しんでもらえたら嬉しいのですが。

 と、いつも同じ文句を書いている。
 けど、気持ちはいつも新鮮!

 いつもながら、句をひねるのは、誰かのサイトの記述を読んでコメント欄に書き残す場合が多い。その本文との絡みがあってこそ生きる(?)小生の句だが、句しか載せられないのが残念。

 と、繰言はこれくらいにして……、
 では、いざ、句の杯盤狼籍の席……、じゃないね、今回は一人寂しく手酌の席へ、どうぞ!


 ********************

短冊に書けぬ願いを如何せん   06/07/07

うらうらと日の戯れて沖の舟   06/07/07

大福や腹を満たして至福かな   06/07/07

丑三つや我が世の春と守宮(やもり)這う   06/07/07

時と空綾なす宇宙終わりなき   06/07/08

木陰にはあなたと一緒影の添う   06/07/09

蓮開く音のすなるは我が胸か   06/07/11

待ちかねて焦がれし月も照れるのみ   06/07/13

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/07/09

水たまり

[ 本稿は、季語随筆ブログにて題名も同じ「水たまり」として公表したもの。本来は、この創作系のブログに最初からアップすべきだったけど、衝動に駆られてぶっつけで書いてしまったので、ちょっと変則的な形になった。
 尚、ここに再掲するにあたって、少しだけ手を加えましたl。(再アップ当日追記)]

 朝から雨が降っていた。
 雨が降っていることは音で分かる。庇を叩く雨音が寝入っている耳元にも響いてくる。
 一人きりの小さな部屋だから、窓の外のちょっとした音も呆気なく忍び込んでくる。
 まるで壁に目に見えない透き間があるようだ。

 それにしても、雨音が激しすぎるような。
 ベッドに寝そべったまま、無理にも首を捻って窓のほうを見遣ってみた。
 うん? カーテンがやんわり揺れている…。
 窓の隅っこが雨天にしては妙に明るい。
 なんだ、昨夜は窓を閉め切らないままに寝入ってしまったのだ。

 湿っぽい部屋。湿気が篭って鬱陶しい。
 久しぶりに舐めたワインのせいで、余計に暑苦しくなって、つい窓を開けた。
 そして、軽く酔った時の癖で、心地よさに任せて、後のことは知ったことじゃないと、ベッドに潜り込んでしまった。
 見ると、二の腕の長さほど開け放たれた窓の合間から風と共に雨までが吹き込んでいるのだった。
 やばい! 急いで閉めなくっちゃ。
 うん? 考えてみたら、今更、急いだって無駄か。
 もう、窓枠も窓際の書棚も、そうして窓辺のフローリングの床も、濡れそぼっている。

続きを読む "水たまり"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/07/07

落句拾遺 6-1

 先月は、「連句しましょ(梅雨・柔肌編 1)」や「連句巻く(梅雨・海苔編 2)」と、月に二度もの連句を巻いたこともあって、皆様、待望の「落句拾遺」をメモるのをサボってしまった。

 ということで…、気を取り直して:

 お待たせしました!
 六月の拙句(駄句・雅句・落句・川柳・標語etc.)をまとめて披露!
 六月半ば過ぎにはに「落句拾遺 6-1」をアップするはずが、気が付くともう七夕だ。
 七夕…。小生の生活はバタバタ…。

 俳句に川柳に短歌に警句に標語にと、持ち味いろいろ。
「それにしても、ちょっと収穫が少ない。六月は頑張らなくっちゃ!」と思っていたのに、相変わらず不作気味なのが情けなく、また申し訳なく思う。
 それでも、楽しんでもらえたら嬉しいのですが。

 と、いつも同じ文句を書いている。
 けど、気持ちはいつも新鮮!

 いつもながら、句をひねるのは、誰かのサイトの記述を読んでコメント欄に書き残す場合が多い。その本文との絡みがあってこそ生きる(?)小生の句だが、句しか載せられないのが残念(日付にリンクが貼ってないものは、人様のサイトのコメント欄に残したものです)。
 と、繰言はこれくらいにして……、
 では、いざ、句の杯盤狼籍の席へ、どうぞ!


 ********************


緑陰を二人歩くも影一つ    2006/06/01

ひなげしの原吹く風にも夢の舞う   2006/06/02

去年(こぞ)の田は畑となりて蝶の舞う   2006/06/05

桑の実を食みたくただ画に見入る   2006/06/06
トマト食む瑞々しきを我が身にと   2006/06/10

降る雨は我が心からと紫陽花の   2006/06/12
紫陽花の雨に降られて帰り道   2006/06/13

虹は約束雨ふり小僧追いかけて   2006/06/19
膝抱え雨ふり小僧はズブ濡れさ    
橋の下雨ふり小僧は待ちぼうけ    
夢の島雨ふり小僧で満員だ

飲めぬならせめて乾さんか池の鯉   2006/06/20

五月雨に破片の飛んで脂汗   2006/06/20

雨降れば憂しと思うは人のみか
     御覧!葉っぱも虫も生きてあり   2006/06/25

教科書や触らぬうちに年度末   2006/06/25

君は誰思わず問いし傘の君   2006/06/29

水滴の丸み透かして天の海   2006/06/30

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年6月 | トップページ | 2006年8月 »