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2005/12/19

落句拾遺12-1

凍てつく夜電熱器の灯頼もしく     12/6

月の舟星屑散らし満ち欠けん    12/8

目に冴えし三日月なれど澄まぬ恋    12/8

冬支度万全なれどダルマかも   12/8

月の舟星屑散らし浮き沈む    12/10

レノン忌に掻き消されての真珠湾    12/10

旅の宿ししなべ突いて狩の宿        12/10
あの猪(しし)がこの鍋なのか狩の宿     12/10

ネギ畑お願い今日も根切らせて     12/11

庭先に宝の山があるじゃない!     12/11
土の香の残りしネギを喰うてみる    12/11
土の果に海の果併せネギトロだ    12/11
父母の手の汗さえ添えて上る葱     12/11
畑とは大地の海と思えとか      12/11

目を閉じて心に扉の夜寒かな     12/12

冬の蛾や友を求めて迷いしか     12/12
冬の蛾の悠々として壁を這う      12/12
冬の蛾やもし蝶だったら御免なさい    12/12
冬の蛾や訪れしは蜘蛛か我か      12/12
冬の蛾や冬の蚊の座を狙うのか      12/12

屏風立つ彼方の夢を誘うよに      12/13
屏風越し手が出る足も出る       12/13
折りたたむ屏風の裏の置手紙     12/13
屏風越しのはずの恋の忍びがたき     12/13

手を出せば届くと誘う冬の月     12/15

闇よりも深き淵かと君が恋     12/15

かんじきの立てし雪音ただ聴けり    12/16

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