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2005/10/20

雅句駄句拾遺10-1

我が舞うは心の乱れを映すのみ
分からずに捨て来し中に宝あり
秋の空虚ろを映して高かりし
密林に身を潜めて我育つ
我が舞うは守り神なり離れざる
        (2005/10/03 (月) 01:32)

風船は心の息の形なり
        (2005/10/03(Mon) 01:38)

コスモスの寿ぐごとく咲き誇る
        (2005-10-03 01:43)

秋の蝉鳴き暮らしても成らぬ恋
        (2005/10/3 1:46)

野路の秋歩き続けた日は何処(いずこ)
人が皆我が道をゆく野路の秋
分かれ道生る実の赤く野路の秋
アスファルト舗装に消えし野路の秋
軒先の柿の木も枯れ野路の秋
        (October 03, 2005

木犀の香のする人を慕いける
木犀の吹く風に乗り馥郁と
       (2005/10/04 (火) 19:47)

鶏頭の深紅の襞の風に揺れ
     命愛でよと微笑むがごと
        (2005/10/04 20:05:26)


青く高い空に朱色の柿が映える秋に近付いてますね。
実物とは言わないけど、絵、もっと大きな画像で見たいね。
柿を見たら描きたくなる…。小生にもそんな繊細な心が欲しいけど、難しい。

柿食えばもっと欲しいと手の伸びる
        (2005/10/4 20:09)


早いですね。昨日(今朝未明)、ラジオを聴いていたら盛岡では氷点下になったとか。
モノトーンの世界。
小生が田舎に暮らしていた頃、冬は雪が一杯、降りました。不思議なのは、思い返してみると、妙に色合いや濃淡が実に変化に富んでいたように思えること。記憶の成せる悪戯なのでしょうか。

雪の日のモノトーンの中こころ萌ゆ
        (2005/10/04(Tue) 20:21)

(木犀の香りに勝る香水はあるのかな、という問いに応えて…)

柔肌の熱き血潮に勝るナシ
        (2005/10/04 (火) 22:44)

(栗御飯の話題や画像を見て:)

栗食めば胸のしこりもほぐれるね
        (2005-10-04 火 22:55:42)

 新米のお米の輝き炊くを惜しむ
 湯気あげて炊けるお米の待ち遠し
 炊けた米オカズと食すをためらいし
 新米も我が田の米ならぬを惜しむ(昨年から稲作を止めてしまった…)
 新米もオイラが炊けば意味もなし
 新米と呼べるは短し花のごと
 いつまでも新米と思うな新米よ
        (October 05, 2005

無花果の果肉の汁の糸を引く
無花果の暗き深紅は生が良し
無花果の暗き深紅は淵知れず
もぎ取りし無花果の肉齧り捨つ
無花果を二つに裂いて闇を見る
無花果は貪り食って捨つるのみ
無花果の果肉の香りほのかなり
こうやって食べるのだぞとかぶりつく
        (October 07, 2005


秋の雨止むこと知らぬ涙かも
街灯の尾の長引ける秋の雨
草木の息吹き返す秋の雨
木の根の苔の芽にも秋の雨
道ばたの吸殻さえも雨に濡れ
水飛沫舞い上がっての秋の雨
何もかも眠りにつくよな秋の雨
        (October 09, 2005

拭わずも溢れるがごと秋の雨
        (October 9, 2005

車輪梅染めるその日を夢に見つ
鶏頭の深みに嵌り蟻地獄
        (2005/10/09

秋祭思いばかりが空回り
秋祭今か今かと急くごとく
山車よりも人の後追う秋祭
秋祭人影絶えし道を行く
秋祭出会ってみれば夢の中
秋祭出会う人みな火照ってる
秋祭終わってみれば後の祭り
        (October 10, 2005

風邪いやねでもあなたが傍なら嬉しいけど
       (2005/10/10 (月) 05:06)


柘榴の木山にありしを目に浮かべ
割れ避けて覗く姿に仏見ん
誰しもが思い入れたき柘榴の実
無骨ゆえ好ましきかな柘榴の実
花からは思いつけない柘榴の実
        (October 12, 2005


[表題にある如く、駄句や雅句の拾遺集なのだが、段々、集めきれなくなってきた。落穂拾いのようにして一枚の葉も漏らさないようにと頑張ってきたけど、忙しさにかまけて漏れ零れていく句もあるようだ。拾えなくて、ごめんね。勝手に作って、せめてここに拾い集めて供養してあげたかったのに、それさえもできずに、生まれたままに消え去っていく…。
 と言うほど大袈裟なものじゃないけど、でも、取りこぼした句の中にこそ、傑作があるかも、なんて夢のようなことを考えてしまう弥一なのであった!
 ところで、日付にリンクが張ってある。これは、季語随筆の折に捻った(この場合は季語随筆のアドレスに)、あるいはリンク先の掲示板などで捻ったということ。リンク先の掲示板などを覗けば、句を作った背景事情などが分かるかも、という老婆心なのである。]

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コメント

人逝きて虚空果てなし秋の暮れ

投稿: 憩いの田舎家管理人 | 2005/10/30 19:57

憩いの田舎家管理人さん、こんにちは。

勉強会など、充実した日々を送られておられるようですね。
そんな中でも心痛むことがないわけじゃないのでしょうけど。

> 人逝きて虚空果てなし秋の暮れ

    あの空のどの雲ならんあの人は   (や)

投稿: やいっち | 2005/10/30 23:05

やいっち様 今日は。あまり書き込みはしませんが、いつも覗かせていただいています。やいっち様のHPには何故か懐かしさを覚えるものがあるからです。お人柄でしょうか。拙句に返句までいただき恐縮しています。ところで月に一度ネット上で句会を主催されるようなお気持ちは?

投稿: 憩いの田舎家管理人 | 2005/11/06 13:17

憩いの田舎家管理人さん、コメント、ありがとう!
同病相憐れむとか、その後、詳しい症状とか分かったのでしょうか。もしかしてピロリ菌のせい?
そんな中なのに、コメントを寄せ関心を抱いてくれること、ありがたいことと思います。

> ところで月に一度ネット上で句会を主催されるようなお気持ちは?

 句会には大賛成です。ただ、小生が主宰するのは力も経験も足りないと思います。
 寄せられた投句に返句するのがやっと。
 そうした句を遣り取りする場があればいいですね。そんな掲示板かサイトを設けるべきなのかな?

投稿: やいっち | 2005/11/06 20:25

やいっち様 今日は。言い出した手前、恥を忍んで今月から投句させていただきます。よろしくお願いいたします。
木枯らしに吹き寄せられし落ち葉かな
枯れ葉くるくる人生くるくる
山茶花の初の一輪賞でにけり

投稿: 憩いの田舎家管理人 | 2005/11/20 05:14

憩いの田舎家管理人さん、こんにちは。
投句、ありがとうございます。
句作については、小生より先輩ですね。
芭蕉や永田耕衣の俳句に魅せられているとか。
恥ずかしながら、小生、永田耕衣のことは全く無知。とりあえずネットで情報摂取:
http://www.big.or.jp/~loupe/links/jhistory/jkoi.shtml
http://homepage2.nifty.com/masaoka/koto3.htm

寄せられた句については、稿を改めて扱わせてもらいます。

投稿: やいっち | 2005/11/20 18:34

やいっち様 お早うございます。拙句に早速眼を留めていただき有り難うございます。
>句作については、小生より先輩ですね。
決してそんなことはありません。資質の無さを承知の上の手慰みに過ぎません。句作の道場としてこちらのコラムを利用させていただくかたちで大変申し訳ないのですが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

投稿: 憩いの田舎家管理人 | 2005/11/21 04:54

憩いの田舎家管理人さん、「投句に寄せて(1)」にて返句を示しております。
どうぞ、よろしく。

投稿: やいっち | 2005/11/21 23:30

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