2010/03/10

『絶滅した日本のオオカミ』より

シートン著『オオカミ王 ロボ』の読後感のほろ苦さ」にも書いたように、ひょんなことから、とても懐かしい物語、シートン著の『オオカミ王 ロボ』を読む機会を得た。
 そして絶滅寸前に追いやられた北米でのオオカミの歴史と先住民の悲劇の歴史を重ね合わせたりしていたら、数日もしないうちに、新聞の書評欄でブレット・L.ウォ-カ-著の『絶滅した日本のオオカミ』(浜健二訳 北海道大学出版会)なる本の存在を知った。

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→ 前日の天気予報で雪マークが出ていたが、どうせ山間部のことだろうと高を括っていたら、平野部もしっかり降雪、積雪。とうとう雪掻きをする羽目に。これでも気象庁は今冬は暖冬だと言い張るのだろうか。


 あまりにタイムリーな本の登場!

 本書については、紹介したい記述があまりに多く、簡単な感想文を綴るだけでは済まないという気になってしまった。
 テレビで坂本龍馬が脚光を浴びている。小生も司馬遼太郎の原作は若い頃、胸をときめかせて読んだものだった。
 しかし、日本が近代化を進める半面で、いかに多くのものを切り捨ててきたか、決して裏面史ということではなく、正面切って考える時期に来ていると思う。
 本書がその好機になるし、実際、必読の書だと痛感している。

 そこで、下手な紹介記事を書くより、本書の「エピローグ」から断片的にでも著者の肉声を転記することで、著者の本書を通じてのメッセージを紹介したい。

 以下、数回に分けて筆者による「エピローグ」の文章を掲載する。
 本書の粗筋的なものになるが、それでも一読に値すると思う(その前に本書を読んでもらいたいが)。
(転記文中の()内のイタリック体の文字は小生による注釈であり、それ以外の()内の文は筆者によるものである。)

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2010/02/12

鳥の鳴き声…「聞きなし」あれこれ

 蓮実香佑著の『おとぎ話の生物学 森のキノコはなぜ水玉模様なのか?』 (PHP新書)が期待していた以上に面白い。

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 そもそも、小生は、前にも書いたように、「ほとんど、この題名、特に副題と、表紙の絵に惹かれて手に取ったようなもの」なのだが、同時に、キノコ類とかコケ類といった生き物への興味あり、おそらく、「森のキノコはなぜ水玉模様なのか」について、一冊を通じて語っているのだろうと思っていた。
 が、違った。
 まさに、「おとぎ話の生物学」で、「だれもが一度は読んだり、聞いたりしたことがあるおとぎ話や昔話――当たり前のことと思っていた事実を詳細に科学的に検証していくと、意外な真実がわかってきた」といった本なのだった。

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2009/08/14

禊の銭湯となりました

 怒涛の繁忙期も過ぎて、ほんの少し、ホッとできる瞬間もできた…と思ったのは、甘かった。昨日はアメリカシロヒトリの駆除(薬剤が足りず、半端に終わっている)、今日は町内会の雑事と、メインはお墓参り。

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← 我が家のお墓。周りのお墓は、みんなとっても、綺麗。貫禄? みすぼらしい。石が相当に弱っていて、下手に磨いたり、苔を落とすこともできない。父の祖父の代、本家から土地(ほとんどが田圃)を分けてもらって分家。今年の墓参りは、小生一人。

 母は無理として、父はあるいは墓参りに行く気持ちはあったようだが、天候が思わしくなく、傘を差して現地へ赴くのも憚られ、小生ひとり、墓地へ。

 一帯の田圃の原の一角に誰(決まった寺)に管理されることのない墓地としてある。
 墓地の脇には今も小川が流れている。

 ガキの頃、小川に向かって一家で「おしょらい」などをやったものである。
 その小川も、護岸されて久しい(下に掲げる写真を参照のこと)。

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2009/01/31

「深山ねこ岳修行」…猫の王

 先日、アップした「少年マガジンとボクの黄金時代」の中で、「死霊と語る夜」やら「深山ねこ岳修行」、「地底のねずみ浄土」あるいは、「土蔵の中の密議」や「火煙できつね落とし」などなど、民俗学などの文献に当たって調べてみたくなるような話を採り上げている。

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← 子猫の円らな目。興味を惹く対象には常に真っ直ぐ。 (画像などは、「今日は外出三昧? !  「猫! そして幻のポインセチア」篇」参照)

 いずれも、もう少し掘り下げておきたい興味深い話である。

 そのうち、「地底のねずみ浄土」については、既に簡単にだが採り上げてみた:
「ねずみ浄土」の周辺

 今回は、やはり気になる「深山ねこ岳修行」について、その周辺を怖々覗いてみたい。
 まあ、ネズミを採り上げてネコを扱わないのはバランスが悪いようだし ? !

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2009/01/30

「ねずみ浄土」の周辺

 昨日、アップした「少年マガジンとボクの黄金時代」の中で、「死霊と語る夜」やら「深山ねこ岳修行」、「地底のねずみ浄土」あるいは、「土蔵の中の密議」や「火煙できつね落とし」などなど、民俗学などの文献に当たって調べてみたくなるような話を採り上げている。

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← 27日、夕日が家の軒先に没していく…間際の輝き。

 いずれも、もう少し掘り下げておきたい興味深い話である。

地底のねずみ浄土」という題名だったかどうかは忘れたが、地底にねずみたちの棲家があって…云々という話を昔、聞いたか読んだかした朧な記憶がある。
 ここでは、「地底のねずみ浄土」について若干のことをメモしておきたい。

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2008/05/12

お地蔵さん……ん?(前篇)

お地蔵さん

 田舎の我が家の前には地蔵堂があり、その中には記憶では33体のお地蔵様が祀られてある。33体という数は曖昧である。子供の頃に父か母に、それだけの数の地蔵さんが安置されてあると聞いただけで、その頃は、ふん、そう、で終わっていた。
 お地蔵さんの数がこれだけ揃っているのは珍しいのだ、とも、その時に聞いたような気がするが、関心のないガキの耳は素通りするばかりだった。

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← 地蔵堂と思い込んでいたが、その実…。

 もう、十年以上の昔になるが、古い木造の地蔵堂は改築されてコンクリート製の立派なものになった。その際、地蔵堂の向きも、それまでは我が家に直面していたのがA家に正対する向きに変わった。
 老朽化の故に改築するのは分かるとして、何故、向きまで変わったのだろうか。地元の富豪で、蔵が三つあるA家の威光なのだろうか。
 それとも、単に、我が家と地蔵堂の間の道が狭く(車は擦れ違えない)、それに対し、A家と現行の地蔵堂の間の道のほうが、やや広く、車の通行量も人通りも多いからなのだろうか。

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2007/09/01

ほしのゆうえんち・富山あれこれ

 小生の郷里は富山である。
 今日から「おわら風の盆」が始まっているし、九月になったことだし。
 なので、久しぶりに富山についての話題を幾つかメモしておきたい。

 富山情報の記事は久しぶりかなと思ったら、比較的最近も幾つか書いてはいる:
「25日(土)は浅草サンバカーニバルの日!」(2007/08/23
「花火大会と空襲の間に佇む」(2007/08/15
「「線香花火の思い出」など」(2007/07/30
「棕櫚の樹や麦の話と二毛作」(2007/04/08
「黄砂に抱かれて草むしり!」(2007/04/02
「来週は全日本チンドンコンクール!」(2007/03/31

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← 「絵本とぬいぐるみセット」 (「絵本とぬいぐるみセット 逸品チャンネル DeSiCa とやま」参照。詳しくは下記する)

 この数ヶ月だけでもこれだけ。
 が、「来週は全日本チンドンコンクール!」を除くと、基本的に思い出話っぽい話題が多い。情報とは呼びづらい。
25日(土)は浅草サンバカーニバルの日!」は、我がリベルダージの今年のパレードテーマが「スイーツ(スウィーツ)」と、小生の好きなお菓子だったので、せっかくなので、生まれ育った富山での子供の頃のお菓子の思い出などを綴っているのである。
 なので、今日はトピック的な話題を幾つか。

目次:
●今日から「おわら風の盆」が始まる
●「黒部川の水質日本一 8年ぶりに1位に
●「保育料の滞納一千万円 日本一少ない0.3%
●「くらしたい国、富山」が開設
局キャラ登場の絵本発売 北日本放送(スタジオジブリ)

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2007/08/22

真夏の夜は怪談…でも怖い!

 昨日、火曜日は営業の日。
 例によって空車の間はラジオが楽しみ(それと、タウン・ウオッチングも。といいつつ素敵な人はいないかとキョロキョロ。もっとお客さんを探せって? そうだよね)。
 営業しながらの、まさにながら聴取なので、ラジオで聞ける話は何もかもが断片的で、尻切れトンボに終ってしまう。ちゃんと聴いていても、要点をつかむのが苦手な小生、聞きかじりの言葉や話がもともと朦朧然としている小生の脳味噌の中で、渾然一体…とは行かず、錯乱状態のままに欠けらたちが頭蓋骨の壁面に散らばっている。

 幾つか、話題をせめてリストアップだけしておいて、後日、何かの記事を書く際のネタにしたい(という切ない願望も篭めて、メモしておく)。


1)ドライブレコーダー映像を警察に提供
2)アメリカに蘭を普及して
3)小泉八雲と松江と怪談と:真夏の夜は怪談パーティー

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2007/08/14

卑弥呼(古代の女性)像が変る!

 義江明子氏著の『つくられた卑弥呼―“女”の創出と国家』(ちくま新書)を読了した。この手の本には目のない小生、図書館で本書(の背)を目にした時は、刊行されて十年も経っている、ありがちな本なのかなという印象を受けた。
 タイトルが、何というか、悪くはないが、目立てばいいっていう感じを受けてしまったのである。

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← 義江明子著『つくられた卑弥呼―“女”の創出と国家』(ちくま新書) 秀逸! 古代や古代史を見る目が変る!

 が、本書は「2005-04-10出版」であり(僅か2年前の刊行!)、著者の義江明子(よしえ あきこ)氏も素人ではなく、「現在、帝京大学文学部教授。専門は日本古代史・女性史。(夫は、日本中世史研究者の義江彰夫)」というれっきとした歴史学者なのである。
 名前を知らないのは、小生の無知さは別にして、専門が「専門は日本古代史・女性史」ということで、女性には特に弱い小生、少々馴染みが薄いということもあるのかもしれない。

 まさに女性の視点からの著書。
 よって、女性の側の贔屓の引き倒しという面がないのかどうか、当初はつい、多少は(失礼ながら、不遜ながら)眉唾的な記述がないかと警戒心を持って読み始めてしまった(正直に書きすぎているかな?)。

 が、読み始めて、その論述の確かさと説得力ある記述にあっさり屈服してしまった。

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2007/07/27

秀逸! 工藤隆著『古事記の起源』

運慶は阿吽(あうん)の息で仏生む』などで触れていた工藤隆著『古事記の起源―新しい古代像をもとめて』(中公新書)を過日、読了した。
 この頃、電車やバスを利用する機会が多く、車中での読書のために借りたものだが、「古事記」研究に新しい段階が到来しつつあることを実感させてくれる、実に面白い本だった。
 しかも、素人の小生にも読みやすい!

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← 工藤隆著『古事記の起源―新しい古代像をもとめて』(中公新書)

 小生は、『三浦 佑之著『古事記講義』』などでも書いているように、「古事記」(や「万葉集」)を折に触れて読んできた。
 当然ながら、解説書や研究書の類いも年に数冊は手に取るようにしている。
 
 そんな小生には、ともすると訓古注釈学の気味になりそうな古事記研究に新生面が見られて嬉しかった。
 まだまだ研究の余地がある!

 再度、本書の謳い文句を転記しておくと、「著者は、無文字文化の「生きている神話」「生きている歌垣」が今なお残る中国長江流域の少数民族文化を調査し、神話の成立過程のモデルを大胆に構築。イザナミやヤマトタケルの死、スサノオ伝承、黄泉の国神話、糞尿譚などを古事記の深層から読み直す」とある。

 下手な小生の紹介より、著名な方の書評が見つかったので、以下、幾つか紹介する。

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