2023/07/20

多極化、多様化する世界が訪れる

 ← 『ミネルヴァ通信「究」7月号(通巻第一四八号)』(ミネルヴァ書房) 「人文系、社会科学系などの垣根を越え、読書人のための知の道しるべをめざす雑誌『ミネルヴァ通信「究」』。」

 『ミネルヴァ通信「究」7月号(通巻第一四八号)』(ミネルヴァ書房)を読書メーターに登録。例によって書店で貰ってきた。出版社の広告誌。普段、なかなか目にしない、読む機会に恵まれない書き手に接する僥倖。十日ほどで通読できたらいいな。

 自宅では、閻 連科作の『硬きこと水のごとし』と、吉田伸夫著の『人類はどれほど奇跡なのか』とを交互に。とびぬけた小説と、最新の物理学への案内書…入門書。ビッグバンの理解がこれまでの本とは随分と変わっていた。ブラックマターが宇宙の全てだったのが、ある時点でビッグバンを起こしてブラックマターに加え所謂我々の知る物質が生じ、我々の知る宇宙へ。

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2022/11/25

足元を見るべし

 ← ガストン・バシュラール 著『空間の詩学』(岩村 行雄 訳 ちくま学芸文庫) 「(前略)詩的イメージの根源の価値を明らかにするために、詩的イメージとイメージを創造する意識の行為を結合する、新たなる想像力の現象学を提唱する。バシュラール詩学の頂点をなす最晩年の書。」

 ガストン・バシュラール 著の『空間の詩学』を24日に読了。三度目なのだが、今回は通読するのがこれが最後だろうと、二週間を費やした。

「物質的想像力の概念を導入して詩論の新しい地平を切りひらいてきたバシュラール」の世界をゆっくりじっくり味わった。235個に渡る原注訳注も余さず。訳者によるあとがき等も目を通した。それでも、内容を理解できたかと云うと怪しい。ひたすらその詩文、詩的イメージの論理展開に身を、感性をゆだねるしかない。そう、ル・クレジオではないが、物質的恍惚を玩味するしかないのだ。

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2022/09/22

日中国交正常化50周年

 ← 堀田 善衞 著『時間』(岩波現代文庫) 「南京事件を中国人知識人の視点から手記のかたちで語り,歴史と人間存在の本質を問うた戦後文学の金字塔.」(解説=辺見庸)

 堀田善衞 作の『時間』を22日未明に読了。数年ぶりの読了。かなり若いころにも読んだかも。「南京事件を中国人知識人の視点から手記のかたちで語り,歴史と人間存在の本質を問うた戦後文学の金字塔」というもの。

 二度目か三度目だからか、少し作品の出来で粗さを感じた。これは作家の意図したものか。現実の凄まじさの前で言葉が無力に感じられる。それでも、立ち向かわないと風化する、今、書いておかないと…。

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2022/09/21

新聞が届くのは当たり前?

 ← レナード・ムロディナウ 著『ユークリッドの窓 ─平行線から超空間にいたる幾何学の物語』(青木 薫 翻訳 ちくま学芸文庫) 「世界の見方は古代以来変わり続け、数学と物理の深い関係が今、明らかになりつつある。ユークリッドが開いたのは、宇宙の姿を見せてくれる窓だったのだ。『スタートレック』の脚本家が誘う3000年のタイムトラベル。」

 先日も書いたが、バイクショップでの店員の対応に感服。好きで買いたかったヤマハFJR1300の特集冊子をもらったり、カワサキZ2のモデルをもらったり、最後は車で自宅まで送ってくれた。

 とにかく、てきぱきしているしはきはきしている。我が会社もと思うが、社員教育はまるでなってない。挨拶ができない。挨拶しても、返事がない。社会人失格。他の会社じゃ、雇われないね。(09/22 19:22)

 

 

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2022/02/08

西之島の運命を気にしてる場合か

Kiryu ←  井出 孫六 著『抵抗の新聞人 桐生悠々』(五男による回想「私にとっての〈親子関係〉」も収録。[解説=青木理] 岩波現代文庫)「開戦前夜まで反戦と不正追及の姿勢を貫き、ジャーナリズム史上に屹立する桐生悠々。烈々たる反骨の生涯。」

 

 買い物から帰宅後、ママさんダンプでせっせと除雪。表の庭から裏口までの道作り。四時過ぎからは雨に。雪にはならないかな。腰への負担。安静にしてたいが、体を動かさないと。読書しながらの腹筋背筋作りも継続。(02/08 16:24)
 午後四時過ぎからの雨。いや、雨でよかった。これが雪なら新潟か北海道か、昨年の富山になっちゃってる。ほんの数度の違いで、豪雪か雪融けの雨。自然の中の微妙な界域に生きてる…… (02/08 19:33)

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2021/10/20

カリンじゃなくボケの実でした

Kato ← 加藤陽子著『とめられなかった戦争』(文春文庫)「NHK教育テレビ「さかのぼり日本史」で放送された内容をもとに作った単行本「NHKさかのぼり日本史②昭和 とめられなかった戦争」の文庫化」「「それまで侵略はなかった」と主張し続けてきた安倍首相に真っ向から対抗し、歴史家としての気概を見せた加藤陽子東京大学大学院教授。いまいちばん旬な歴史学者の加藤教授が、語り下ろし形式で、日本の近現代史をわかりやすく解説した本」

 

 加藤陽子著の『とめられなかった戦争』を昨日の仕事の合間に一気に読了。同氏の本は二冊目。内容案内の「NHK教育テレビ「さかのぼり日本史」で放送された内容をもとに作った単行本「NHKさかのぼり日本史②昭和 とめられなかった戦争」の文庫化」「「それまで侵略はなかった」と主張し続けてきた安倍首相に真っ向から対抗し、歴史家としての気概を見せた加藤陽子東京大学大学院教授。いまいちばん旬な歴史学者の加藤教授が、語り下ろし形式で、日本の近現代史をわかりやすく解説した本」に尽きる。
 スガ首相らが学術会議メンバー任命から排除した6人の一人。岸田現首相も同じ路線を踏襲。となると気になる。立派な学識と見識。加藤 陽子さんに脚光を浴びせたスガ氏に感謝したい。
 現政権タカ派路線に傾斜しつつある今、加藤陽子氏らの本での語りに耳を傾けるべきだろう。

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2020/04/13

疫病のもたらすもの

Kaede ← 小雨の中、内庭散策。カエデの新緑が瑞々しい。椿の赤紅や濃緑とのコラボ。

 トルストイの『世界文学全集 48 戦争と平和Ⅱ(1978)  』(集英社)を読み続けている。
 今日は風雨。終日、家に籠っていた。外仕事もせずに。読書に専念し、本書の残り150頁を読み終えたかった。でも、頓挫。活字が細かくて、数頁読むごとに休憩。老眼の悲しさ。初めて読んだときは肉眼だったなんて、我ながら信じられない。 

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2018/08/17

カビには根っこがない

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→ 玄関先の雨受け。庭仕事終了後、長靴を洗うための水。家のあちこちにポリバケツ設置。ポリバケツに雨水を貯め、畑の水遣りに使う。夜に至るまでの雨で、本日は外仕事せず。久しぶりに。

 お昼前、ちょっと外の様子を窺ってみた。降っていない。なんとなく不穏な雰囲気。すると、俄かに風が強まって一気に豪雨。表の道を若い人が走っていく。あまりに急激な天候の悪化。今日は、ずっと雨(と風)らしい。庭や畑に雨は嬉しい(外仕事をサボれるし)が、激しい雨は困る。この風雨で、大気も入れ替わって、秋の気配が漂うようになるのかな。それはそれで淋しい。

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2016/06/08

好奇心で中野 明 著『裸はいつから恥ずかしくなったか』を読む

 ひたすら好奇心と、多少の(?)スケベ心で買い求め、読んでしまった本。
 昨日は仕事がやたらと暇だったもので、残り160頁ほどを一気に……じゃなく、ダラダラ読んで行っても、余裕で読み終えてしまった。悲しい現実……。

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← 中野 明 著『裸はいつから恥ずかしくなったか ─「裸体」の日本近代史』 (ちくま文庫) 「幕末、訪日した外国人は混浴の公衆浴場に驚いた。日本人が裸に対して羞恥心や性的関心を持ったのはいつ頃なのか。「裸体」で読み解く日本近代史」とか。

  江戸時代に関連する本を読むと、そういった話(や絵)は折々出てくるので、気になってならないでいた。
 さすが、世の中は広いもので、小生のようなスケベ心に……じゃなく、関心に見事に応えてくれる書き手(調べる人)がいるものである。

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2016/02/01

『動くものはすべて殺せ』からインディアン悲史を想う

  ニック・タース著の『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』を読了した。副題にあるように、「アメリカ兵はベトナムで何をしたか」がテーマの本で、アメリカ軍の方針は「動くものはすべて殺せ」である。

Indianhishi

← 藤永 茂著『アメリカ・インディアン悲史』(朝日選書 21) 著者のブログ:「私の闇の奥」 

 戦争である以上、戦争に勝つために何でもやるのは当然のようだが、アメリカ軍には、一般の兵士もだが、上官も指揮する将軍も、あるいはアメリカ大統領も含め、アジアの民への思い入れは全くなかったことが分かる。
 というより、ベトナム人への人種的偏見が露骨なのである。

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