2019/05/21

神々は今も君臨するのか 『白鳥伝説』再び

270657 ← 魯迅 作『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇 吶喊』(竹内 好 訳 岩波文庫)  「人が人を食うという妄想にとりつかれた「狂人日記」の「おれ」,貧しい日雇い農民でどんなに馬鹿にされても「精神的勝利法」によって意気軒昂たる阿Q.表題二作とも辛亥革命前後の時代を背景に,妄想者の意識・行動をたどりながら,中国社会の欺瞞性を鋭くえぐり出す.魯迅(1881-1936)最初の作品集『吶喊』の全訳」 

 阿Qを筆頭にどの作品の主人公たちもやや頼りない、ふがいない奴ばかり。それなりにプライドはあるのだが、現実の中で空回りするばかり。無論、魯迅は意図的にそうしている。恐らくは、底辺を生きる民衆の風俗や生活ぶりを描くことこそが主眼に思える。
 一歩間違えると、魯迅による体験記と見なしかねない。が、辛うじて魯迅の筆が単なるエッセイ(思い出の記)から飛躍させ、虚構作品として長く読まれるような普遍性に届こうかという作品群に仕立てている。一昨日から読みだして、仕事の日を挟んで、今日、読了した。感想は敢えて書かないが、幾つかの作品は印象に残った。

 

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2019/01/15

梅原猛さん死去

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← 梅原猛/著『隠された十字架―法隆寺論―』(新潮文庫) 「法隆寺は怨霊鎮魂の寺! 大胆な仮説で学界の通説に挑戦し、法隆寺に秘められた謎を追い、古代国家の正史から隠された真実に迫る」。

 ある親戚の家は、山間にある。森を切り開いた、丘の一角。動物はいろいろ出る。猿などは当たり前。熊も。びっくりして、どのような状況だったのか、尋ねることなど、思い付かなかった。その家にはワンちゃんは飼ってなかったと思うのだが。昔の里山は、熊どころか、猪や狼だって出没してたんだよね。

 梅原猛さんが亡くなられた::「哲学者の梅原猛さん死去 日本古代史に大胆な仮説を展開:朝日新聞デジタル

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2018/12/09

高輪ゲートウェイ駅に違和感

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← ラス・カサス著『インディアス史 (一)』(長南 実 訳 , 石原 保徳 編 岩波文庫) 「ラス・カサス(1484-1566)がその後半生を通して書き継ぎ,改訂を加えた同時代史」とか。「クリストバル・コロン(コロンブス)による新世界の発見から説き起こし,自らもその一員であったスペイン人植民者によるインディオに対する圧政と残虐の実態を明らかにする」とも。

 体のバイオリズムと仕事や休日とのリズムが合わない。夜は早めに寝るのだが、目覚める時間がやたらと早い。余儀なく、少し読書するけど、仕事に支障がでてはと、毛布をかぶり目を閉じ、寝ようとするけど、眠れない。悶々。寝不足で出社。あの悶々タイムを読書に振り向けられたら、月にあと2冊は読めそう。クソッ、どうしたらいい?

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2018/08/06

水谷千秋著『継体天皇と朝鮮半島の謎』にロマンを感じる

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← 水谷千秋著『継体天皇と朝鮮半島の謎』(文春新書) 「子のない武烈天皇が崩じたのち、傍系、地方出身にもかかわらず、天皇の座についた継体天皇。王位簒奪者か、大和の救世主だったのか? 真の継体陵とされる今城塚古墳の石棺は、なぜ九州から運ばれたのか? 緊迫する朝鮮半島との関係にどう対処したのか? 古墳、石棺、冠、大刀、鏡など考古学上の新しい成果と、文献からの考察を突き合わせ、古代史最大の「空白」がいま、明らかになる――」。

 水谷千秋著の『継体天皇と朝鮮半島の謎』を読了した。
 同氏の旧著『謎の大王 継体天皇』以来の書。この本も読んだはず。謎の大王・継体天皇にはずっと関心を持ってきた。前の本が専門である文献史学に基づき、文献資料を駆使しての著作だとすれば、本書『継体天皇と朝鮮半島の謎』は、その後の考古学上の研究実績を広く視野に入れての書。

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2018/04/24

越中素通りの「風土記」は物足りない

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← 『新版 平家物語(一) 全訳注』(杉本 圭三郎訳 講談社学術文庫) 「12世紀末、日本が古代から中世へと大きく転換した時代に頭角を現した平家は、たちまちに権力の座に就くものの永く維持できず、東国の源氏勢によって急速に滅ぼされる。この平家一門の栄華と滅亡を軸に、歴史過程を物語った」もの。

 ようやく、念願の「平家物語」を読み始める。今年は、「源氏物語」、「風土記」と読んできた。源氏となると、平家だ。「古事記」は何度か読んだけど、「日本書紀」はまだ。日本の古典は一通り読んでおきたいのである。

 「万葉集」も、関連の本も含め、岩波文庫版で読んだ。だって、大伴家持ゆかりの富山だもの。
「源氏物語」はともかく、「平家物語」は、いつか原文で読みたいな。「源氏物語」ほど敷居は高くなさそうな気がする。それにしても、「源氏物語」を原文で読める人は尊敬する。

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2018/04/15

石膏でできた「砂漠のバラ」

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→ 石膏(硫酸カルシウム)でできた「砂漠のバラ」 (画像は、「砂漠のバラ - Wikipedia」より) 「ある種の化合物が自然現象でバラのような形状の結晶に成長した石で」「水に溶けたミネラルが結晶に成長するものなので、砂漠といえども水がない(またはなかった)地域からは出てこない」とか。本書にて紹介されている。

 我が家の庭がどんどん緑が濃くなる。青葉若葉の庭。
 晩冬にかけては、常緑の木々たちが降り積もる雪の白さに緑の存在を健気に訴えていた。例えば山茶花、椿、夾竹桃、アオキ、ツゲ、南天、棕櫚などの常緑樹たち。

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2018/03/20

<夜>を喪失して数十年

 先週の屋根瓦工事に続き、車道沿いの出窓の庇修理、終わった。庇が腐り、庇の屋根(トタンカバー)が敗れ去っていた。ガリバリウムで補修。これで雨漏りの心配はなくなった……はず。

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← 『風土記 上 現代語訳付き』(監修・訳注 中村 啓信  角川ソフィア文庫) 「8世紀、元明天皇の詔により諸国の産物、伝説、地名の由来などを撰進させた地誌。 (中略) 漢文体の本文も掲載する。上巻には、常陸国・出雲国、播磨国風土記を収録」。

風土記 上 現代語訳付き』を与謝野版「源氏物語」と同様、これまた牛歩で読み進めている。「万葉集」や「古事記」などは読んできたが、「風土記」には手が出なかった。
「風土記」には、ヤマトタケルを天皇として扱うとか、他の文献には見受けられない神々が登場し、主に地名伝説などの場面で活躍しているのが興味深い。

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2018/02/07

東から西への視点を軸とした弥生時代像

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→ 数日ぶりに銭湯へ。気持ちいいなー。ああ、早く自宅の風呂に入りたい。夜半過ぎに仕事からの帰宅直後、シャワーだけでも浴びれたらと、つくづく思う。うちには、剪定した枝葉がいっぱいある。焚き火で風呂ってのも乙なんだが、富山市内は焚き火禁止なんだよね。

 与謝野晶子訳の『カラー版日本文学全集2 源氏物語 上巻』を読み始めた。
 現代語訳は、いろいろあるね。それぞれ特色はあるとか。では、なぜ、与謝野晶子訳。それはね、手元にあるから。姉の蔵書。昭和の、日本文学全集のもの。箱入りで、挿画も楽しめる、立派な装幀の本。読むっきゃないよね。与謝野晶子訳は、和歌はそのまま載っている。誰か、訳してくれないか!

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2017/12/29

「ヤポネシアへの三段階渡来モデル」を提唱

 灯油や大根、白菜、それにミカンが値上がりしているとか。そういえば、我が家のミカンの木、今年も一個も実が生らない。3年前の豊作は夢だったよう。
 野菜などは種類によっては連作は難しいというけれど、梅も柿も、もう生らなくなって数年が経過している。肥料の問題なのかなー。

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→ ジョセフ・ライト Joseph Wright of Derby  『亡夫の武具の番をするインディアンの族長の寡婦 The widow of an Indian chief watching the arms of her deceased husband』(1785 Oil on canvas, 101.6x127cm, Derby Museums&Art Gallery ダービー美術館) (画像は、「アート at ドリアン ジョセフ・ライト」より) 拙稿「ジョゼフ・ライト…科学・技術をも照らす月の光(後篇)」など参照。

 雪が降り続いている。昨夜には小止みだったので、峠は越えたかなと安堵しかけていたのに、ガッカリである。まさに丑三つ時の夜中の2時頃から除雪開始。積雪は30センチあまりか。屋根からの雪、庭木からの雪が加わる。
 一時間半ほどの作業で汗びっしょりになった。

 何年もの除雪体験からの知恵を駆使しての作業を心掛けている。帰郷して十年目にして、ようやくのこと。遅きに失しているかも。

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2017/12/13

イザベラ・バード著の『朝鮮紀行』を読み始めた

 富山は(富山だけじゃないけど)昨夕から一気に雪国に。今冬はラニーニャ現象もあり、本格的な冬になりそう。辛い。生き延びないと。

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← イザベラ・L・バード【著】『朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期』(時岡 敬子【訳】講談社学術文庫)

 福井などは積雪が数十センチとか。偏西風の蛇行の影響は、日本の何処に寒波や雪雲を襲来させるか予断を許さない。
 今年は、カーポートを玄関前に設置。少しは雪への対応ができていると思いたい……な。

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