2017/02/16

井田川幻想

 街角に立ち尽くす女が居た。
 吹きっ晒しの風に深くかぶったフードが揺れる。
 時折、男が通り過ぎていく。

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 一瞬、顔を覗き込んでは、やれやれといった顔をして去っていく。
 遠慮のない奴は、フードを引っ張って、顔を晒そうとする。木枯らしより寒々とした男の目線に女は弱弱しげな眼差しで応えようとする。

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2016/11/26

ニワのカモ

 さすがに一気に冷え込んだようで、暖房のための電気代が高騰。先々月に比べて先月は倍になった。まだ、十一月なのに、この先、電気代、どこまで上がるやら。

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← 富山市の郊外(八尾)に遭遇した夕景。

 今日から電気ストーブじゃなく、エアコンを使う。少なくとも四半世紀は使っているはず。温度は20度に設定です。
 以下、ナンセンスな言葉遊びです:

ハニュウのやどのニワにはニワ ニワトリがいる。ニワトリといっても、ニワのトリじゃない。ニワのトリでもない。ワニはいない。ワニなったハニワがニワコウの服を着てハニかんでいる。 


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2016/11/10

淋しさは氷雨のように

 探している。
 一つの答えを。それとも終わりへの糸口を。

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 何もかもを捨て去りたい。忘れ去りたい。
 目を閉じて、心をも閉ざして、そうして見えてくるものは、形にならない塊。

 あれは猫なのか? 白い猫なのか!
 いや、蛾だ。鱗粉を撒き散らす蝶だ。
 狸もいるし、雀もいる。
 お爺ちゃんが目を真ん丸にしてこっちを見ている。
 機関銃の銃身を捻じ曲げてでも、こっちを狙っている。

 ああ、なんて賑やかなんだろう。まるで、今まで見てきた悪夢が一度に現れたみたいだ。
 焦がれる心が潤いをなくして、今にも蒸発しそうだ。
 会いたいという思いが火となって時空を焼き尽くそうとしている。

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 探しているんだよ。そう、あなたなら分かるはずだ。何を探しているかをね。
 泡の中に封じ込められた思い。無数の泡たちが宙をふわふら飛び交っている。
 ぶつかったり、すれ違ったり。やがて、弾けて消えていく。

 手を振っているの? それとも、さよならって告げているの。
 出会ってもいないのに、もう、別れを告げてしまうの。

 真っ青な喪服に身を包んで、誰の葬儀に参列しているの?
 棺の中に横たわる、ウエディングドレスに身を包んだあの蒼白の人は、誰? あなた? 
 いつものように、ただ立ち竦んでいるのは、オレ?
 表情が翳っているのは、素敵なティアラのせいなの?

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 淋しさは氷雨のように我が身を叩いている。あなたの冷たい指先の感触が忘れられない。
 どうして凍て付いてしまったのか。
 このオレを抱きしめて、そうして氷の微笑で刺し貫こうとでも?

 身も心も迷子だよ。何も分からないんだよ。
 答えは誰が知っているの?
 吹き千切られたあの手紙の行方は、あの日の風だけが知っているの?


[本文中の画像は総て、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より。]

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2016/07/31

靄の中の女

 靄(もや)のかかった池の脇を通りった。
 そんな場所に行くつもりなどなかった。

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 郊外の新興住宅地の一角を歩いているはずが、一歩、裏道に踏み込んだら、そこは野原。
 目的の家が分からない。建ったばかりで、表札もない、ただ、目印にパンダ(フィアット)の中古車を表に止めてあるという。
 奴の愛車なのだ。何処を見渡しても、それらしい車が見つからないってことは、奴はまだ帰宅していないのか。

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2016/07/16

豪雨から究極の再生エネルギーを夢想する

 このところ、天候不順の日が続いている。
 我が富山でも、猛烈な豪雨に幾度となく見舞われた。
 一昨日は、終日の雨を覚悟していたら、午後になって曇って来たので、これ幸いと、自転車を駆ってスーパーへ買い物。

 さて、まっすぐ帰ろうと、店の外を見たら、さっきまでの薄日の差すような天気とは打って変わって、雨。それも、豪雨とまではいかないが、かなり強い雨。
 これが六月までなら、雨の中を帰るのは躊躇うが、そろそろ夏という七月の中旬である。雨も冷たくない。スーパーの庇で雨宿りも野暮。

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2016/06/27

永遠と一瞬の美しき目合ひ

 夜、仕事の合間などに空の星を眺めることがある。
 遠い星。遥かな高みの星。
 あの星に人類はいつか、到達するんだろうなって。

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← お絵かきチャンピオン 作「不詳」 (ホームページ:「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」参照)

 人類は、月に達し、火星にも近い将来、立つのだろう。
 既に地に降り立ったという月の世界すら、小生のようなぼんくらには遥かに遠い世界なのだ。

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2016/06/26

137億年の孤独の海

 夜、仕事の合間などに空の星を眺めることがある。
 遠い星。遥かな高みの星。
 あの星に人類はいつか、到達するんだろうなって。
 人類は、月に達し、火星にも近い将来、立つのだろう。
 既に地に降り立ったという月の世界すら、小生のようなぼんくらには遥かに遠い世界なのだ。

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2016/06/24

ボクのブルー

 青色が好きなのは、空の青、海の青が好きだから…なんかじゃない。
 ブルーが好きなのだ。

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← そらい@抽象画 作品名不詳。油彩かな。「sorai(そらい)」へ!

 ブルーの心が眸の中に漂っている。
 それとも、ホントはグレイの脳味噌のはずが、悲鳴を上げてヒートアップして、青く発熱しているのかもしれない。
 何も分からないのだよ。世界が揺蕩っている。どよーん、どよーんって、揺さぶられる潮のざわめきが煩いほど聞こえてくる。
 膿が浸潤して、骨も血管も腱も筋も、そして肺腑だって崩れ始めている。

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2016/06/16

正常なる幻想 異常なる明晰

 車中では、ジャン・ジュネ作の「花のノートルダム」を、家ではマルタン・モネスティエ著の「図説 奇形全書」や「シュレーバー回想録―ある神経病者の手記」 (平凡社ライブラリー)を読んでいる。

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← カトリーヌ・ランヴァゲン(Cathrine Langwagen)「Elements – Fire 」 フリーランスデジタルアーティスト、あるいはグラフィックデザイナー。 スウェーデンで生まれ育つも、二十歳代には、世界中を旅してまわり、今は英国に定住している。「Cathrine Langwagen Wiki BoardGameGeek」や、「Cathrine Langwagen's Image Gallery - Digital Artist」など参照。

 いずれも、心身共に危うい世界。
 ジュネの「花のノートルダム」も、ひたすら負の倫理の極を目指すことで、美と真の闇の方向への美を極めていいる。「図説 奇形全書」は、基本的に実際の世界で生きた奇形(アンチモラル的存在も含め)を信ぴょう性のほどは不明ながらも、際物視せずに淡々と(?)と羅列していく。

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2016/06/11

点々は 宇宙を攪拌しないのです

 我々は攪拌された宇宙に散在する点々なのかもしれない。
 星の一つ一つが、誰彼の心の投影なのかもしれない。

 道端の石ころや空き缶にしても、誰かの眼差しに晒される。

 梅雨の束の間の日の光にジリジリと焼かれて、
             つい、本音を洩らしそうになる。

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