ポオの《神の心臓の鼓動》像を超えて
← 『ポオ全集 3 新装版』(福永 武彦 :翻訳 佐伯 彰一 :編集 1970/1/1刊 東京創元社) 「小説のみに偏していた翻訳紹介から一歩進んで、評論・詩・随筆・書簡などをすべて収録した、わが国唯一の画期的全集。」箱入り!
『ポオ全集 3 新装版』(福永 武彦 :翻訳 佐伯 彰一 :編集 1970/1/1刊 東京創元社)をほぼ一か月を費やして再読した。もう二度と再読する機会はないだろうから、ゆっくりじっくり牛歩で読んできた。敢えて850頁の箱入りの本巻を手にしたのは、『ユリイカ』を読みたかったからだ。
本書が出た当時とは違って、今日では、『ユリイカ』が単著で出ている:「ユリイカ/ポオ, 八木 敏雄|岩波文庫 - 岩波書店」
『ポオ全集 3 新装版』は、評論・詩・随筆・書簡などを収録してある。吾輩は、「ユリイカ」を読みたかったのだが、せっかくならばと全巻を読み返したわけである(評論単著の本も読んだことがあるが、「ユリイカ」は入手できなかった)。目次からポオの年譜まで通読。ポオの文章は無論だが、本書にはオディロン・ルドンの石版画集『エドガー・ポオに』からの石版画も巻頭に数葉載っている。訳者陣も豪華である。月報の筆者も贅沢(ちなみに月報には、オディロン・ルドンの石版画が本巻分どころか他に数点載っていて嬉しい)。しかも、極め付けに、ポール・ヴァレリイの手になる<『ユリイカ』をめぐって>が吉田健一訳で載っている! とにかく今日では実現不可能な贅沢ぶりである。こうなると、吾輩の感想など僭越であり無用というもの。『ユリイカ』を巡っては、月報所載の埴谷雄高の「ポオについて」が、久しぶりに再読して、埴谷節が絶妙だと再認識。そうだ、吾輩は、埴谷のこの随想に深く影響(印象)を刻まれていたんだと今更ながらに気付かされた。
「ユリイカ/ポオ, 八木 敏雄|岩波文庫 - 岩波書店」岩波文庫の内容案内には、「〈散文詩〉と銘打たれたポオ最晩年の詩的宇宙論.宇宙の本質,起原,創造,現状,宿命を,物理的精神的両面から壮大に謳う.」と。まさにそうだ。ポオが晩年当時に知り得た宇宙論(天文学)の知識をこれでもかと盛り込みつつ、ポオの想像力全開の詩的宇宙論だ。
ポオの死は1849年40歳で急死している。宇宙論(天文学)は当時とは隔世の感の違いがある。相対性理論も量子力学もブラックホールも重力波(の検出)も、ダークエネルギーやダークマターすらもポオが知る由もない。
こうした知識を踏まえて、現代のポオが居たなら、どんな今日版『ユリイカ』像を作り上げるだろう。学者の描く科学的宇宙像はそれなりに散見しえるが、吾輩が求めるのは想像力全開の新・詩的宇宙論なのだ。
埴谷がいう如く、ポオが喝破した《神の心臓の鼓動》像を凌駕し得る描像でなければならない。至難の業(わざ)であることは言うまでもない。ひたすら期待するばかりである。 (11/28 04:39)
← 庭先…玄関前のカエデが紅葉し、どんどん散っている。間もなく枯れ木のような外観を呈する。 (11/27 20:28)
NHKスペシャル取材班著『新・古代史: グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』 (NHK出版新書 735)……ポオ全集第3巻をほぼ1ヶ月を費やして再読した。どっぷりポオの世界(詩や評論、書簡など)に浸ってきた。肩の荷が降りた感が強い。一転して歴史もの。それも大好きな古代史の中の極めつけである邪馬台国もの。空白の時代に果敢にも挑戦するNHK取材班。その手腕やいかに。 (11/27 20:28)
← 今日は晴れの休日。例によって庭仕事。納屋にて画像の空箱に枝葉を詰め込む。柴代わり。2時間の作業で柴ストーブ1時間分の燃料。呆気なく燃え尽きる。ダンボール箱じゃなく(数を揃えるのが手間)、紙袋があればいいんだけど(詰め込みやすい)。柴ストーブの柴投入口に投入しやすい。 (11/27 19:14)
← 「重度の奇形をもつ「中世騎士の頭蓋骨」を発見 - ナゾロジー」 (11/27 12:42)
← 「宇宙最大の謎「ダークマター」、ついに「見えた」か…東大教授が発見 「正体を突き止めた」可能性(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース」 (11/28 03:13)
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