[だれ?]
← フランツ・カフカ/著『カフカ断片集:海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ』 (頭木弘樹/編訳 新潮文庫 カ 1-5)
この断片集で一番好きな海辺の貝殻:
[だれ?]
川岸の並木の下を行くのはだれ?
すっかり見捨てられているのはだれ?
もうどうしようもないのはだれ?
草が生えているのはだれのお墓?
川をさかのぼって、はしごで川岸をのぼって、夢がやってきた。
立ちどまって、夢たちと言葉を交わす。夢はいろんなことを知っている。でも、自分たちがどこから来たかは知らない。
秋の夕暮れはとてもおだやかだ。
夢が川のほうを向き、両腕を上げる。
両腕を上げたのに、なぜわたちたちを抱きしめてくれないのだろう?
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