« モラティン 著『娘たちの「はい」』を読んだ | トップページ | 読書三昧を願いつつ庭仕事に精を出す »

2025/06/02

寺田寅彦に改めて感心

 ← 『ちくま日本文学034 寺田寅彦』 (ちくま文庫)…昨日は仕事がやや忙しく30頁しか読めず。今日はどうだろう? 画像は、ホタルブクロ。昨夜、開花に気付いた。今夜の雨は、ホタルブクロに相応しい? (05/31 20:07)

 31日はそこそこに忙しかったが『ちくま日本文学034 寺田寅彦』 (ちくま文庫)を80頁読めた。翌6月1日は、暇を持て余していたのに、40頁がやっと。夜の車中での待機中に読書するのは目に悪いんだろうな。

 自宅では、相変わらず、ロビン・ウォール・キマラー著『植物と叡智の守り人    ネイティブアメリカンの植物学者が語る科学・癒し・伝承』(三木直子訳 築地書館)を牛歩してる。こちらには植物名などが次々と出てくるが、画像が少なく、ネット検索してその外見や情報をピックアップ。たださえ遅読なのに、そんなことを繰り返していて、ますます遅くなってしまう。ま、今年一番の好著となりそうだから、せっせと読むこともないだろう。

 

 「日本の「財政破綻」はすでに始まっているが、それが誰の目にも明らかになる「きっかけ」は何か? 考えられる「4つのシナリオ」」(東洋経済オンライン) #Yahooニュース 」 (05/31 17:42)

 

 ← 裏庭のモミジはノムラモミジ? 「ノムラモミジ / のむらもみじ / 濃紫紅葉 (画像は、30日撮影 05/30 14:45)

 昨夜ラジオ深夜便で「ジャンクヘッド」の話題が:「環境破壊によって地上の汚染が進んだ世界。労働力として生み出された人工生命体マリガンは、人類に反旗を翻して地下世界を掌握する。それから1600年後。生殖能力を失い長命になった人類は、絶滅の危機に瀕し、独自に進化したマリガンの調査に乗り出す。」 

 「『JUNK HEAD』(ジャンク・ヘッド)は、2021年に公開された日本のストップモーション・アニメーション映画。堀貴秀監督。三部作の第1作目である。」(Wikipediaより)

 堀貴秀監督へのインタビューの最後にWATWINGの「Falling for You」なる曲が流された。  (06/01 15:45)

 

 ← 『ちくま日本文学034 寺田寅彦』 (【解説: 藤森照信 】 ちくま文庫) 「自分をレンズと化して 過去を写生した視覚の人」表紙の絵は自画像。悪戦苦闘ぶりを描く「自画像」なるエッセイも面白い。

ちくま日本文学034 寺田寅彦』 (ちくま文庫)を2日早朝に読了。 今回で少なくとも三回目。物理学者としても実績を残されているらしいが、驚くのは記憶力。解説の藤森照信 氏が評するように、「自分をレンズと化して 過去を写生した視覚の人」なのだろう。卓抜な表現力で遠い記憶を蘇らせる、その叙述が素晴らしい。

 藤森照信が解説するように、優れた物理学者だが、得意不得意があるようだ。お化けや人魂について、物理現象として解明を試みるが最後は有り触れた結論へと尻すぼみとなる。

 一方、電車の混雑についての分析は「込んだ電車はますます込むような傾向をもつ」と、さすがに説得力がある。あるいはガラスについた水滴が落下しつつ描く模様、雲の姿の変幻、水や空気の渦巻き、大地やガラスの割れ目の形など、のちのカオス理論の萌芽と思える着想を示している。従来の物理学では扱われないような日常身辺の、物理学圏外の物理現象に関心を抱いていた。

 あるいは「物売りの声」や「病院の夜明けの物音」、「蓄音機」など音に絡む現象への繊細と云うか鋭敏な感覚による観察がすばらしい。「芝刈」にしても音が主題ではないのだが、音あるいは響きが寅彦の耳あるいは脳髄を刺激する様子が感じられて読んでて共感めいた感懐を抱いてしまう。

「神話と地球物理学」も興味深い。八岐大蛇など古事記での島が生まれる叙述は、地球物理学的に解釈していて感心した。後年、蒲池 明弘著の『火山で読み解く古事記の謎』 (文春新書)が出た時は、早速入手し読んだものである:拙稿「古事記神話と火山学・地球物理学」 ちなみに、寺田寅彦自身にも『神話と地球物理学』(一九三三年 青空文庫)がある。

 そのほか、悪戦苦闘ぶりを描く「自画像」なるエッセイも面白い。ちなみに、表紙の絵は自画像である。俳句についての持論や、さらに「比較言語学における統計的研究法の可能性」など先駆的過ぎる論及に驚いた。近年は文学作品についても統計学的研究が応用されているらしいが、その様子を観たら、寅彦はどんな感懐を抱くだろう。

 とにかく記憶力、観察力、優れた繊細極まる感性や知性に溢れた、物理学者ならではの、類を観ない本である。 (06/02 11:40)

 

 ← 『植物と叡智の守り人 』で頻出する野菜「リーキ」:「リーキ(韮葱、英: leek、学名: Allium ampeloprasum)は、ヒガンバナ科ネギ属の地中海沿岸原産の野菜である。リークとも。意訳してセイヨウネギ(西洋ねぎ)、ニラネギ、西洋ニラネギなどとも。また、フランス語名のポワロー (poireau)、イタリア語名のポッロ (porro) から、ポワロ、ポロねぎとも呼ばれる。」(Wikipediaより)

 本書の舞台は北米。上記のリーキかどうか分からない。

 本書の表紙画像は、スイートグラスを三つ編したもの。 (05/30 13:56)

 

 ← 「シトカトウヒ」とは? 「トウヒ属(唐檜属、学名:Picea)はマツ科の針葉樹のグループの一つ。」(Wikipediaより) 画像は、エゾマツ。

「シトカトウヒは、北米大陸西海岸の山地に自生するマツ科トウヒ属の常緑性針葉樹です。 樹高は通常45~65m、最大で80mにも達する巨木で、若木の樹形は広円錐形、老木では円筒形になります。」(Wikipediaより)

 クリスマスツリーのイメージ? (05/30 14:05)

 

 ← 『植物と叡智の守り人』にて「セイヨウオオバコ」の話題に接した。 (05/30 14:30)

「セイヨウオオバコ(西洋大葉子、学名: Plantago major)は、オオバコ科オオバコ属に分類される植物。別名でオニオオバコともよばれる。原産地はヨーロッパとアジア北部、アジア中央部の大部分であるが、日本を含む世界各地で雑草として帰化している。日本在来のオオバコよりも一般にやや大きい。」

「セイヨウオオバコの種子は穀物や農作物の種子によく混じっている。そのため、世界各国で帰化し、地域によっては侵略的外来種として扱われている。ネイティブアメリカンは、白人が通った道にセイヨウオオバコが生えることから、セイヨウオオバコを「白人の足跡」「イギリス人の足」と呼んだ。」(Wikipediaより)

「セイヨウオオバコはあらゆる部分が役に立つ。小さな種は消化を助ける薬になるし、葉は出血をたちどころに止めて感染症を起こさずに治してくれる。」(本書p.274) (05/30 14:35)

 

 ← 『植物と叡智の守り人 』の主役(主題)に近い「ガマ」:「ガマ(蒲、香蒲、学名:Typha latifolia L.)は、ガマ科ガマ属の多年草の抽水植物である。別名、ミズクサともいい、古くはカマとも呼ばれていた。円柱状の穂は蒲の穂と呼ばれる。花粉は蒲黄(ほおう)とよばれ、薬用にされる。」(画像・情報共にWikipediaより) (05/30 16:29)

 

 ← 畑の胡瓜…順調に育ってる (5月31日撮影)

数学「ABC予想」は証明されたか 論文受理から5年、論争は迷宮へ:朝日新聞」 (06/01 00:13)

 

高齢化で広がる耕作放棄地、若手農家たちが反撃開始 「5年後に所得300万円」掲げて地域外から新規就農者を募集(FNNプライムオンライン) #Yahooニュース」 (05/31 21:26)

 

 ← 二代目歌川広重『諸国名所百景』「紀州熊野岩茸取」 (Wikipediaより)

植物と叡智の守り人  』にてイワタケに注目:「イワタケ(岩茸・石茸、学名: Umbilicaria esculenta)は、深山の岩壁に着生する地衣類の一種。東アジアの温帯に分布し、中国、朝鮮、日本では山菜、生薬として利用する。」(Wikipediaより)

 「標準和名のイワタケ(岩茸)は、岩に生えるキノコという意味であるが、キノコ(菌類)ではなく地衣類で、菌類と藻類が合同で作った一見キノコのように見える葉状体の姿に由来する。」著者によると、うまく調理すると美味しいとか。(p.348-9)

 「多くの地衣類がそうであるように、イワタケは空気汚染にとても弱い。イワタケが生えているのを見つけたら、そこの空気はとてもきれいだと考えていい。(略)大気汚染物質があれば、イワタケはたちまち死んでしまう。」(p.350-1) (06/01 13:28)

 

 ← 「ベイスギ」 (画像は、Wikipediaより)

 ロビン・ウォール・キマラー著『植物と叡智の守り人    ネイティブアメリカンの植物学者が語る科学・癒し・伝承』(三木直子訳 築地書館)にて「ベイスギ」を知る:「アメリカネズコ(学名: Thuja plicata)は、裸子植物マツ綱のヒノキ科クロベ属(ネズコ属)に分類される常緑針葉樹の1種である。材はスギにやや似ており、木材業などではベイスギ(米杉)とよばれることが多い。」(Wikipediaより)

 巨木。「北米西部のアラスカからカリフォルニア州北部に分布する。材は建築材などに広く利用されており、日本などへも多く輸出されている。自生地の先住民は、トーテムポールなどさまざまな形で利用していた。」(Wikipediaより)

 「腐りにくいベイスギは理想的な資材になる。細工がしやすく浮揚性があり、幹は太くてまっすぐなので、いかにも二十人乗りの船にしてくださいと言っているかのようだ。そして、船に付随するものーー櫂も、浮きも、綱も、ロープも、矢も、そして銛も、すべてがベイスギからの贈り物だった。船に乗る者たちは帽子やケープさえベイスギで作った。」(p.354)

 赤ちゃんのオクルミ、薬、棺まで! (06/01 13:53)

 

 ← 表から裏への小道 (5月31日撮影)

 ロビン・ウォール・キマラー著『植物と叡智の守り人    ネイティブアメリカンの植物学者が語る科学・癒し・伝承』(三木直子訳 築地書館)を日々読んでいる。こんな素晴らしい本を見つけた自分を褒めたい気持ち。今年一番の本になるかも。…だけど、なんと本書は7年前に出ていた。しかも我輩は、著者の前書「コケの自然誌」を8年前に読んで感激してた。同氏の新刊が出た時に気付いてよかったはず。悔しいな。 (06/01 16:16)

 

 ← ロドルフォ・アモエド作「アタラの死」(1883年) (画像は、Wikipediaから)

 ラジオにて「アタラ」を知った:「『アタラ、あるいは砂漠の二人の野蛮人の恋』(二人の野蛮人の恋)は、フランスの作家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンによる中編小説、初版は1801年4月2日(紀元前9年12月)に出版された。[ 物語は73歳の主人公チャクタスの視点で語られ、その物語はセミノール族。この作品は、少なくとも部分的には彼の北米、 当時の18世紀フランスのロマン主義と異国情緒を反映しており、 初版で5版を重ねた。何度も舞台化され、多くの言語に翻訳された。」(情報は、Wikipediaから 06/02 03:29)

|

« モラティン 著『娘たちの「はい」』を読んだ | トップページ | 読書三昧を願いつつ庭仕事に精を出す »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

タクシーエッセイ」カテゴリの記事

古代史・考古学」カテゴリの記事

書評エッセイ」カテゴリの記事

科学一般」カテゴリの記事

社会一般」カテゴリの記事

恋愛・心と体」カテゴリの記事

写真日記」カテゴリの記事

読書メーター」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« モラティン 著『娘たちの「はい」』を読んだ | トップページ | 読書三昧を願いつつ庭仕事に精を出す »