八雲と漱石の夢十夜と
← 黒澤 弘光/竹内 薫著『サイエンス・ライターが古文のプロに聞くこんなに深い日本の古典』 (ちくま文庫) 「サイエンス作家竹内薫の母校では文系理系を問わず生徒達を魅了する古典授業があった。行間や一語一句の深みに迫るその読み方を、恩師に今改めて聞く。」
黒澤 弘光/竹内 薫著『サイエンス・ライターが古文のプロに聞くこんなに深い日本の古典』 (ちくま文庫)を3日(木)に読了…というか数年ぶりに再読した。竹内 薫についてはテレビでも馴染みの方。彼の母校で古文を担当されていた恩師である黒澤 弘光に「行間や一語一句の深みに迫るその読み方を」教わるというもの。
本ブログでも幾度となく採り上げたが、改めて感服するばかり。「伊勢物語」「大和物語」「源氏物語」「平家物語」「万葉集」のそれぞれを部分的に採り上げ、従前の読解に異議を呈する形で読み解いてくれている。「万葉集」の山上憶良の項など感動もの。再読して良かった!
黒澤 弘光/竹内 薫著『サイエンス・ライターが古文のプロに聞くこんなに深い日本の古典』 (ちくま文庫)…本書では「万葉集」も扱ってる。我輩は、折口信夫版、中西進版万葉集を通読したことがあるが、改めて大伴家持(あるいは山上憶良)版万葉集の意義を教えられた。こういう先生に高校時代古文を習ってたら、もっと古典に親しめていたかな? (04/03 13:14)
富山県でも、大伴家持ゆかりの高岡市を中心とする県西部は、万葉集への関心は深い。 (04/03 13:15)
1977年初版。三巻もの。箱入り。本にはパラフィンカバー。当時の本は箱入りが当たり前だった! 手元にあるのは初版本だが、まさか77年に買ったわけはない。社会人になってから…80年代前半?
三浦佑之氏の「古事記の神々」にて、八雲の「加賀の潜戸」なる小文の説明が見事だとあり、これま間違いなくこの作品集にあるはずと、改めて書庫から引っ張りだしてきた。
今回で二度目か三度目かな。久しぶりに読んで、やはり八雲の文章は味わい深い。今以て瑞々しい。今更吾輩ごときがあれこれ言う必要もないだろう。
ただ、読むたび気付かされるのは、ある作品と夏目漱石のある創作との近縁性。それは、本書の「日本海の岸辺で」の中の、「十」の項の話と、漱石の『夢十夜』の中の「第三夜」との類似性である。既にきっと誰かが指摘しているに違いないだろうが。
「第三夜」の末尾での「御前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね」という決めのセリフ。
八雲の「日本海の岸辺で」第十話では、やはり末尾近くで「おとっつぁん、わしをしまいに捨てさしたときも、ちょうど今夜のような月夜だったね」が決め文句となっている。漱石の夢十夜のほうが有名だろうし、さすがの作品なのだが、八雲のこの話も掌編なのだが実に味わい深いのだ。 (04/04 05:26)
『とやまの歴史 改訂版』(富山県公文書館編)を読みだしたのだが、読書メーターで見付からない。富山県民会館の売店で発掘した、やや古い本。 (04/04 04:30)
「2025年1月読書まとめ」…1月読書のまとめをしてなかった。昨夜やっと! (04/04 04:38)
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