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2025/03/17

自分は観客ですらない

 ← 水仙たちがスクスクと。 (03/16 19:03)

 

 ← フィリップ・グランベール著『ある秘密』 (野崎 歓訳 新潮社 CREST BOOKS)…今から (03/16 15:56) 「ひとりっ子で病弱なぼくは、想像上の兄を作って遊んでいたが、ある日、屋根裏部屋で、かつて本当の兄が存在していた形跡を見つける。1950年代のパリを舞台にした自伝的長編。」

 フィリップ・グランベール著『ある秘密』 (野崎 歓訳 新潮クレスト・ブックス):

 こんな作品を半日で読んじゃっていいものか。小波すら目立たない湖面。一人の少年の小さな想像の遊びから物語が始まる。家の中の秘密の領域にいつしか迷い混む。誘惑めいた、でもいつかは破らなければならない秘密の領域。それは家族の、一族の禁忌の領域を侵犯することに他ならなかった。インセストタブー。それは民族浄化という異常すぎる戦時下ならではの歴史と絡んで、事態は一層錯綜してしまう。 (2025/03/17)

 ありふれたような家族そして一族の日常。それは、はち切れそうな秘密を懸命に守り隠そうとする不毛な営み。が、いつかは決壊すべき時が来る。本作はある種の精神分析小説と言えそう。心の闇は家族など近親者らの闇と無縁では有り得ないのだろう。しかも一人の人間が物心付く頃には、既ににっちもさっちもいかなくなってしまっている。黙って流されるか、抗うかの選択は自分次第? でも自分が意思した選択のはずが、実は塞き止められたダムの小さなひび割れの営為に他ならないとしたら? フロイトの精神分析は古くさいと笑って済ませるだろうか? (03/17 02:06)

 下手な書き手なら贅言の限りを尽くしたくなりそう。それをとことん削ぎ落としてここまで凝縮した作家の自制に敬意を示すべきか。(03/17 02:12)

 以下、全くの余談。我輩にしても人間性の土台は保育所時代には出来上がっていたと感じる。小学生になる頃には全てを諦める心性に埋め込まれていた。人生は自分には遠いもの、他人のもの、自分は観客ですらない。分厚い透明なパイプの中を滑らかに滑り落ちていくだけの生。我輩は、この物語の主人公のように勇気のある少年ではなかった。瘡蓋を突き破って膿を噴出させる覇気は欠片もなかった。親兄弟も含め誰一人胸の思いをぶつけることはなかった。また腫れ物たる自分に立ち入る人とも出逢わなかった。あるいは目の前にいたかも知れないのに。 (03/17 02:25)

 

 昼行燈126「眼差しという匕首

 

 確定申告に翻弄された

 

 ← 寒波が再び。十日ぶりに柴ストーブの出番。枝葉などを燃やす。柴ストーブの活躍の時期の終わりに近付いている。 (03/16 20:19)

(頂いたコメントに)出来るなら、外で焚き火したいです。子供の頃、焚き火してサツマイモ焼いて食べたのが懐かしい。 (03/17 00:43)

(頂いたコメントに)そうなんです。焚き火代わりの柴ストーブです。流石にサツマイモは投じてない。でも、一度くらいは試してもいいかな? (03/17 02:14)

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