シェイクスピアからナボコフへ
← 『シェイクスピア全集21 アントニーとクレオパトラ』 (松岡和子訳 ちくま文庫 ) 「ローマの武将アントニーはエジプト女王クレオパトラとの恋に溺れ、ローマと敵対。帝国の命運をかけた恋は劇的な結末を迎える。 【解説: 由井哲哉 】」
『シェイクスピア全集21 アントニーとクレオパトラ』 (松岡和子訳 ちくま文庫 )を読了。昨日23日は休日。雨も降ってなかったし、庭仕事日和だったが、サボってしまった。お蔭で(寝落ちの回数も少なめだったし)、本書をまる一昼夜で一気読み。
「アントニーとクレオパトラ」は、恐らく松岡和子訳が初めて。
シェイクスピア作品に限らないが、翻訳物はいつもながら、最初の内は登場人物の(吾輩には)多さに辟易しそうに。でも、松岡和子訳シェイクスピア全集は冒頭に登場人物名が列挙されているので非常に助かる。お蔭で迷わずに読めた。
クレオパトラの自殺の方法(毒蛇に噛ませる)も有名。この自殺を選ぶに際し、囚人を使って各種の毒薬の効き目をいろいろ試したという。そっちのほうが怖い。
物語は、「ローマの将軍アントニーは、エジプト女王クレオパトラとの恋に溺れ、ローマと敵対、対オクテヴィアス・シーザー軍との戦いに敗北する。アントニーは、その原因が女王の裏切りにあると誤解。クレオパトラはアントニーの怒りをおさめようと、自害したと嘘の知らせを伝えさせるが―。帝国の命運をかけた恋は劇的な結末を迎える」というもの。
物語の大筋は映画などの紹介で(吾輩は観てない)知らなくもない。過去の栄光(武勲)を誇る男と彼にベタ惚れの若いとは言えなくなった男女の立場をわきまえない(それでいて強く誇りにしている二人の)痴情の愁嘆場。物語にのめり込むより、臣下や使者など周辺の情報の錯綜に翻弄される哀れな様に(見ている…読んでいる)こちらが翻弄される。シェイクスピアらしく言葉遊びも炸裂してる。翻訳も苦労されたようだが、原書で読んだら一層楽しめたのだろう。 (01/24 11:31)
『シェイクスピア全集21 アントニーとクレオパトラ』 (松岡和子訳 ちくま文庫 )を読んでたら…
「地動説は1543年、ニコラウス・コペルニクスにより唱えられました。 ただし、コペルニクスの地動説は円運動であり、周転円を用いた天動説よりも予測精度が低く、実用的ではありませんでした。」
「一方で地球が動くという考え方はキリスト教の教義に反するとされ、ジョルダーノ・ブルーノが火刑に処せられたり、ガリレオ・ガリレイが異端審問で有罪となったりする事件も起きました。 その後、17世紀にはケプラーの法則やニュートンの運動の法則・万有引力の法則により地動説は広く認められ、18世紀には光行差が発見されて確かなものになりました。 」
「アントニーとクレオパトラ」は、1607年頃に書かれた。本作品の中で、クレオパトラの発言に、「あの人の顔はてんくうだった、そこにはめこまれた太陽と月はそれぞれの軌道を巡り、小さく丸いこの地球を照らしていた」とある。つまり、シェイクスピアはかなり早い段階で地動説を受け入れていたと判断できる?
これは、天動説を常識とした発言と理解すべきか? (01/24 01:50)
← ウラジーミル・ナボコフ著『賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)』(沼野充義 訳 河出書房新社) 「ベルリンに亡命した青年が、世界的な蝶の研究者である偉大な父への追憶を抱きつつ作家として自立するまで描く。祖国への思いを込めたナボコフ最後のロシア語小説を原典から初の邦訳。」
ウラジーミル・ナボコフ著『賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)』(沼野充義 訳 河出書房新社)…8年ぶりに手にする。ナボコフ再読シリーズ(?)の一環。シェイクスピア作品を一気読みした勢いで本書を手にした。解説も含め600頁だよ。やや小さめだが、固い枕になりそう。「ロリータ」に次いでの再読だし、気長に楽しむ。 (01/24 01:48)
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