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2024/12/10

柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する

 ← 今日は休日。曇天。夕方…夜の気温4℃。久しぶりに薪ならぬ柴ストーブの出番。今日は柴の蓄えも少ないので、焚き火。ダンボールやら古紙などを燃やしてる。チェーンソーが不調なので薪(柴)作りができなかった。薪(柴)は、買うと恐ろしく高い。当面、納屋の昨年から蓄えてきた枝葉で代用。あっという間に燃えるので、ストーブの前での枝葉投入に付きっきりになる。これじゃ本を読めないよ! (12/09 22:15) 松葉などの枯れ葉は、燃料にするには、呆気なさ過ぎる。柱か梁でも燃やすか。穴の開いた襖も目障りだし…(12/09 22:17)

 それでも、『時空のゆがみを解きほぐす数学』を休日の夜ならではだが、翌日のことを気にせずに済むということで、夜せっせと百頁以上読めた。よき文学書も素晴らしいが、こういった一般向け数学(物理学)書も、とびきりの天才たちのギリギリの探求譚に浸れて楽しい。テンソルなど理解不能ながら、門外漢も楽しめるように書けるジャーナリストの手腕が見事だ。

 お蔭で、ウィリアム・ブライアント・ローガン著『樹木の恵みと人間の歴史―石器時代の木道からトトロの森まで』(屋代通子訳 築地書館)のほうは若干棚上げ。

 その代わり、本書絡みで、未明には、富山市長の竹に絡むエッセイを巡っての雑文を綴っていた。一つのテーマでエッセイを書く楽しみを久々。 (12/10 12:23)

 

 マーシャ・バトゥーシャク著『ブラックホール: アイデアの誕生から観測へ』…いま読んでるスティーヴ・ネイディス/シン=トゥン・ヤウ著『時空のゆがみを解きほぐす数学』(辻川信二 監訳  すばる舎)にて知った。 (12/10 00:29)

 そのスティーヴ・ネイディス/シン=トゥン・ヤウ著『時空のゆがみを解きほぐす数学』は、ジャーナリストが書いてる(物理学者が監修)。数学の比重が高いからか、一般向けながら、我輩にはやや手強い。なんとか食らいついてる。ハードだが、好きなテーマなのだ。 (12/09 22:21)

 

 ファン デル ヴェルデン著『代数学の歴史: アル-クワリズミからエミー・ネーターへ』が気になるのは、エミー・ネーターのため。エミー・ネーターは、アインシュタイン(が相対性理論を構築した時代)の理論的背景(支柱)ともなった、エネルギー恒存則を導きだした偉大な女性物理学者(数学者)。もっと有名になっていい人物。手頃な紹介本が欲しい。 (12/10 00:35)

 

 ← 吉田洋一著『数学の影絵』(ちくま学芸文庫) 「数学の抽象概念は日常の中にこそ表裏する。数学の影を澄んだ眼差しで観照し、その裡にある無限の広がりを軽妙に綴った珠玉のエッセイ。」

 吉田洋一著『数学の影絵』(ちくま学芸文庫)を8日(日)の夜半に読了。仕事の車中の待機中に楽しんできた。書かれたのは1940年代から50年代まで。

 吉田洋一と云えば、知る人ぞ知る『零の発見』という超ロングセラーの著者。吾輩も中学生の頃に手を出したものだ。本書で知ったのだが、かの中谷宇吉郎らと共に北海道帝国大学の理学部設置にあたり、教官候補生の一人に選定された方。寺田虎彦の肉声(講演)を聴いたこともあるという。羨ましい。これらのどなたも名随筆家である。

「日常の何気ない生活のなかにこそ数学の抽象的な概念は生起し、そこに数学の影を認めることができると著者は説く。無限に伸展する数学の影を発見し、その探究の喜びを縦横無尽に綴った数学エッセイ。」 数学者だからといって世間一般の人と格別違うわけもないと本人は云うが、やはり読むと発想が違うと思う。珠玉の一篇は、「出鱈目」だった。友人から妙なことを頼まれた、なる何気ない始まり。「直径十センチばかりの円の中に「出鱈目」に点を三十ほどうってくれ」というのだ。簡単そうなので、すぐに引き受けた。まず、机の上に紙を広げ、コンパスで円を描き、どこかに鉛筆で点を一つうった。

 ここまでは良かったのだが、第二の点をうつときになって、ちょっと迷ったという。「出鱈目」にでは、第二の点をどううてばいいのか。同じ直径の上にあったり、同心円上にあったりじゃ出鱈目じゃないかもしれない。第三の点をうったとして、同心円上になりえるではないか。三角形の三つの頂点になってはまずいかもしれない。などなど、何処にうっても出鱈目じゃない可能性に惑わされる。目を瞑ってうつ? などなど散々試行錯誤が続くわけである。さて、どう打開すれば出鱈目じゃなくなるのだろうと悩むところに数学者らしい性分が見えてしまう。文末には落ちがあるのが吉田のエッセイの特色のようだ。

 宝くじの前後賞についても、いかにも数学者らしい拘りが。あるいは、小学校一年生のときのこと、学校で「5から5をひくと0になる」と教わってびっくりした、で始まる一篇も秀逸。何故びっくりしたかは、読んでの愉しみにしておく。

 吾輩などは、小学校の一年か二年の時、数を10から逆に9,8、と続けてみてと云われて、できずに教室の後ろに立たされた記憶くらいしかないのとは大違いだ。 (12/10 12:17)

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