蚊さんは何でも知っている
← シェイクスピア 著『シェイクスピア全集20 じゃじゃ馬馴らし』(松岡 和子 訳 ちくま文庫) 「ヴェローナの熱血紳士ペトルーチオがパドヴァのじゃじゃ馬娘キャタリーナと結婚し、その「調教」に乗り出す。軽快な喜劇。【解説: 前沢浩子 】」
今日は検診。可もなく不可もなし…かな? 念のため本書(仕事の車中の待機中に読んできた佐藤 勝彦著『最新・宇宙創世記: インフレーション宇宙から観測の時代へ』)を持参。同僚とのお喋りやら、検診がスムーズに進んだりで、1頁も読めず。
夏の検診は、胃カメラもバリウムもない(昨夏からは採血検査もなくなった)ので呆気なく終わる。帰りは百円ショップで蝋gんきょうなどを、更にスーパーで食品などを買い物し、速攻で帰って急いで午後四時前に本日初めての食事。
一服後、夕方近い6時前から庭仕事開始。車道沿いの生け垣の枝葉落とし。すっかり日の暮れた七時半を過ぎても終わらない。疲れた。疲労困憊して入浴する余力なし。シャワーだけ。 (07/08 21:40)
シェイクスピア 作の『シェイクスピア全集20 じゃじゃ馬馴らし』(松岡 和子 訳 ちくま文庫)を8日(月)午前に読了。仕事を挟んで二日での読了なので、一気読みに近いか。
内容案内によると、「ヴェローナの熱血紳士ペトルーチオがパドヴァのじゃじゃ馬娘キャタリーナと結婚し、その「調教」に乗り出す。軽快な喜劇」とある。喜劇か(読み手によっては、あるいは演出脚本次第によっては)陰惨極まる観るに堪えない物語とも受け止められる。じゃじゃ馬娘…。男尊女卑の時代にあっては(日本では未だにそうだろう)、自己主張のある意思の明確な女性は煙たがられた。中世ヨーロッパで蔓延した魔女刈りも、男に対し反抗する女性を魔女として社会が寄ってたかって責めさいなんだ歴史としても読み取れる。女性は意思があってはならない。人形でなければならない。魔女狩りの物語ではないが、イプセンの『人形の家』は、若い頃繰り返し読んだものだ。お勧め…するまでもないか。
本作の感想は微妙である。シェイクスピアはさすがにウイットと言葉遊びをとことん駆使して喜劇調に仕立てているが、彼の本意は見えない。脚本や演出家、役者らに下駄を預けている? 本作について一読だけじゃ判断は下せなかったな。 (07/09 13:20)
イサク・ディネセン著『冬の物語』読書メーターで発見。同じ著者の「アフリカの日々」が素晴らしい。三回読んでるほど。早く入手したい。冬に読むか…真夏に読むか。 (07/09 08:14)
昼行燈96「夜は白みゆくのみ」 (24/07/09 リアップ)
← ティモシー・ワインガード 著『蚊が歴史をつくった 世界史で暗躍する人類最大の敵』(大津祥子 訳 青土社) 「世界中には110兆匹の蚊が生息し、毎年83万人が蚊が媒介する病気により命を落としている。蚊の存在は、はるか昔より人類史に大きな影響を与えてきた。(中略)不快な虫が人類の歴史に与えたインパクトを明らかにする、気鋭の力作。」
ティモシー・ワインガード 著の『蚊が歴史をつくった 世界史で暗躍する人類最大の敵』(大津祥子 訳 青土社)を5日(金)に読了。読了直後には、感想にもならない雑感だけメモった;よくぞこの大部な濃厚な本を選び読んだと自分を褒めてやりたい。感想は数日後。今も人類を一番脅かす存在。なのに、読了して蚊が憎からず感じられるのは何故。…きっと蚊も生き延びるため必死なのだと分かってくるからか。
本書の内容案内が概要を示してくれている:「世界中には110兆匹の蚊が生息し、毎年83万人が蚊が媒介する病気により命を落としている。蚊の存在は、はるか昔より人類史に大きな影響を与えてきた。ジントニック、スターバックス、ローマ教皇、スコットランド、南北戦争などに蚊の存在がどう影響したのか…?この耳障りで不快な虫が人類の歴史に与えたインパクトを明らかにする、気鋭の力作。」
人類と蚊とは有史以前から凄惨な戦いを繰り広げてきた。人が生活の幅を広げ密集する村落ができると蚊にとっての格好の草刈り場(血呑み場)となる。まして文明が進み都会化が進むと、蚊媒介感染症が蔓延していく。得体の知れない謎の大量死。人は瘴気などのせいにしてきた。長い間に、湿地や池などが怪しいと気付き始めてきたが、都市には汚染水の溜まり場が無数にある。人間の目には小さくとも、蚊にはプールより巨大な生息池となる。
本書には、「蚊の存在は、はるか昔より人類史に大きな影響を与えてきた。ジントニック、スターバックス、ローマ教皇、スコットランド、南北戦争などに蚊の存在がどう影響したのか…?」などが縷々描かれている。大部の本書を読んでいて、濃厚すぎる大河小説を何冊も読んだような充実感が味わえた。
黄熱とマラリア、デング熱…。「毎年83万人が蚊が媒介する病気により命を落としている」とあるように、人類にとって一番危険な生命体だ。では、二番目は? 云うまでもなく人類だ。人類は人類にとって実質一番危ない存在なのだ。同類同士で殺し合っている。今も!
冒頭の雑感でも書いたが、「読了して蚊が憎からず感じられるのは何故。…きっと蚊も生き延びるため必死なのだと分かってくるからか。」なんたって蚊は二億年近くも生き永らえてきたのだ。恐らくはこれからも。
本書は読みごたえのある内容でお勧めだが、敢えて云えば挿画や図(地図)が乏しいのが残念。大部なので翻訳の際割愛したのか、最初から少なかったのか。あと、ソフトカバーなのは仕方ないとはいえ、ちょっと残念。ハードカバーだと相当高くなるか。 でも、こうした本を選ぶ方は図書館か、値段を堪えても入手するに違いない。
いつか文庫本に入る?
ちゃんとした感想は例えば:「水野美和子評 ティモシー・ワインガード『蚊が歴史をつくった――世界史で暗躍する人類最大の敵』(大津祥子訳、青土社)|Yasushi Kaneko」
著者:「ワインガード,ティモシー オックスフォード大学で歴史学を専攻して博士号を取得。現在、コロラド州グランド・ジャンクションにあるコロラド・メサ大学で歴史学と政治学を教えている。カナダと英国の陸軍で将校としての服務経験を持つ。これまでに世界各国で、軍事史と先住民族研究の分野における4冊の著書が発売されている」
訳者:「大津祥子[オオツショウコ] 津田塾大学国際関係学科(フランス政治史専攻)卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)」 (07/09 13:00)
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