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2024/04/22

『死なないやつら』と『テオティワカン』

 ← 長沼 毅著『死なないやつら』(ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部) 「生命とは何か? この根源的な問いに、私たちはいまだに答えることができない。ならば、極端な「エッジ」を眺めて考えてみよう。超高温、超高圧、高塩分、強放射線、強重力……過酷な環境をものともしない極限生物たちの驚異の能力と、不可解きわまる進化。そこには「不安定な炭素化合物」として40億年も続いた生命という現象の本質がある。」

 長沼毅著『死なないやつら』(ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部)を読了し、代わってスザンヌ・オサリバン著の『眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た』(高橋洋訳 紀伊國屋書店)を読み始めた。よって自宅では、レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』(東辻賢治郎訳 左右社)と交互に読むことになった。共に大著。ま、ゆっくりじっくり。 (04/22 03:28)

 長沼毅著『死なないやつら』(ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部)を20日(土)夜半に読了。

 生物学関連の本は大好物。本書は2013年の刊。ブルーバックスのコーナーは書店に寄った際は必ず覗くのだが、本書は何故か新刊の中に平積みで並べられていた。何処か既読感が漂っていたのだが、既読じゃなく幾度となく書店で観たことがあるからなのだろう。幸い、ダブって買ったということはなかった。

「超高温、超高塩分、強度の放射線、強度の重力……過酷な環境をものともしない「極限生物」たちの驚異的なたくましさは、過剰としかいいようがありません。ヒトの致死量の1000倍以上の放射線に耐えるやつ、地球上に存在しない強烈な重力に耐えるやつ…思わず「その能力、いらんやろ?」とツッコみたくなります。」

「実はこの「わけのわからなさ」にこそ生命の本質があります。酸化も還元もしない「不安定な炭素化合物」であるにもかかわらず、生命が地球上で40億年も続いてきた謎の答えがあるのです。なぜ宇宙に生命ができたのか? これから私たちはどう進化していくのか?」

 2010年に「マイコプラズマ・ラボラトリウム」、別名「シンシア」という新しい生物が人間の手によって作られたという。本物のDNAを消去した生物の細胞に「人工DNA」を挿入したのである。いよいよ神の領域に人間が足を踏み込んだのか。

「ヒーラ細胞」の話題も不気味だった。51年に亡くなったあるアメリカ人女性のがん細胞を培養したもので、かなり有名な細胞だろう。その細胞は今もフラスコの中で培養され生き続けている。それだけでも怖いのだが、60年以上も「飼育」されているうちに遺伝子がどんどん突然変異を起こしているという。この細胞ではいま、染色体が82本あるものを中心に、さまざまな染色体数のものが現れているという。もはや「新生物」か、という話が一番気になった。突然変異に常識は通じない。

 本書が刊行されて既に十年以上。その後の研究の進展ぶりも気になるが、それでも本書は今もって読むに値する。面白かった。

(04/22 02:47)

 

 ← 杉山 三郎 著『メキシコ古代都市の謎 テオティワカンを掘る』(朝日新聞出版) 「3世紀のメソアメリカで10万人が暮らしたとされる謎の古代都市テオティワカン。「月」「太陽」「羽毛の蛇」ピラミッドはどうつくられたのか。40年間現地で発掘調査を続ける著者が構造、生贄(いけにえ)埋葬の実態を明かす。貴重なカラー図版多数。」

 杉山 三郎 著『メキシコ古代都市の謎 テオティワカンを掘る』(朝日新聞出版)を20日(金)夜半に読了。仕事の車中での待機中に楽しんだ。古代都市や古代文明の話題はガキの頃からの読書のテーマ。

 余談だが、夜仕事の車中では活字の大きさと、本の大小で選んでる(つまり、活字が大きく、文庫か新書)。本書は面白さもだが、活字が大きいのが助かる。

 近年、テレビでメソアメリカの古代都市の話題が増えている気がする(NHKだけか)。21日もテレビをオンにしたら、偶然「上白石萌音のはるかなる古代文明 マヤ - NHK」だった。途中からだったが思わず録画して観た。

 テオティワカンは、メキシコの首都メキシコシティ北東約50キロの地点にあり、紀元前2世紀から6世紀まで繁栄した、テオティワカン文明の中心となった巨大な宗教都市遺跡。テオティワカンとは、ナワトル語で「神々の都市」という意味。

 本書で特に興味深かったのは、第三章の「新テオティワカン像と文明再考」だった。発掘が進んできたことで、単独の王権があったとするより、共和的な連合政権の存在を提唱する研究者も現れているというのだ(結論は出ていない)。

 過日読んだデヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ著の『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 (光文社)で示された従前の線型的な文明像の根底的な見直しと相俟って(?)、メキシコの古代文明像も再考が迫られているのだろう。

 それはそれとして、本書はカラー図版に限らず白黒画像も図も豊富で見ごたえがあるし楽しめた。 (04/22 03:09)

 

 ← 生け垣の三重カナメ

 今日は休日。曇天。雨の予報もあったが、庭や畑で草むしり。あまり長く草むしりすることのないように敢えて午後5時に開始。みっちりウンチングスタイルで。これだけ庭仕事したらいい運動のはず。もらったコンクリートブロックも畑に設置。 (04/21 20:14)

 

 冷蔵庫に15年ほど温存(死蔵?)してきたミカンの缶詰。食べるタイミングを失してきた。つい大きな缶詰を衝動買い。塩辛いものも甘いものも食べちゃダメって指導されてる。小さめの缶詰にすればよかったのに。今夕ついに手が伸びた。賞味期限は2020年10月。4年前。まだ大丈夫? 勿体ないので一気食い。 (04/21 20:32)

 

 大野 克嗣著『非線形な世界』(東京大学出版会)…いま読んでる「死なないやつら」の著者である長沼毅がバイブルだとする本。高みにある本だろうけど読みたい。

 内容案内:「この世界は非線形現象に充ち満ちている。我々はそこにいかにして法則性を見出し世界を理解するのか。本書は、世界の明晰な記述と理解のために、記述の基礎である概念分析、理解の枠組みである現象論とその方法であるくりこみ、および現象理解の仕上げとしてのモデル化を説き、最後に複雑な現象の模索に至る。」 (04/21 23:29)

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