笙野頼子作『未闘病記』に圧倒された
今日七日も、デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ著『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 (光文社)と
中沢新一著の『精神の考古学』(新潮社)とを交互に。
といいつつ、洗濯(3回)や買い物、相続に絡む書類探しなどがあったし、庭や畑仕事に汗だくになり、夜は寝落ちして、読書は夜半になってやっと少しだけ。ま、焦ることもない。読みたい本が山積みだけどね。 (04/08 03:00)
← 「The significance of the Minoan civilization」「(前略)クレタ島と近くのテラ島には、火山灰の層がミノア時代の町アクロティリをみごとに保存しており、青銅器時代の世界で最も豊富な絵画芸術の一群のひとつを提供してくれている。フレスコ画だけでなく、象牙、印章や宝石に施された細密な彫刻もある。ミノア芸術で最も頻繁に描かれている権威ある人物は、肩まで伸びて胸元が開いた大胆な模様のスカートをはいた成人女性である。」(p.495) デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ著の『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 (光文社)にて知った。 (04/07 23:31)
「おそらく現代考古学の最も重要な発見は、主に推測にたよっていた人たちが後進的で孤立した「部族」しかいないとおもっていた場所にみいだされた、まさにこのような活気に満ちた親族や商業の遠隔ネットワークであるといえるだろう。」(デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ著『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 (光文社)p.493 )
p.493からp.494を読むだけでも本書を手にする意義あり。 (04/07 23:12)
← 笙野頼子作『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』( 岩波現代文庫) 「芥川賞作家が十代から苦しんだ痛みと消耗は十万人に数人の難病だった。病と「同行二人」の半生を描く野間文芸賞受賞作の文庫化。」
笙野頼子作の『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』( 岩波現代文庫)を5日(金)に読了。 仕事の車中の待機中に読むような本じゃなかった。
読んでてひたすらしんどかった。壮絶でもある。初めての笙野頼子作品を本作ってのは正解だったのかどうか。
「首が折れるような、背骨が折れるような、未経験の重い痛みで、ごきぼきっと腰以外の部分が布団に押しつけられた。そして高熱が皮膚から体の中に流れ込んできた」…ほぼ全編こうした記述が続く。
病と同行しての作家活動は並大抵のはずがない。不思議に(?)痛みに苦しむピーク時に作品が一気に書き上げられる。完成と同時に疲労などが増悪しつつ襲ってくる。
作家は、病に苦しみつつ飼い猫の世話をしている。自分がどうであれ、飼い猫の世話はやらねばならない。このことがサバイバルに繋がっているような。
ひと昔前(明治から終戦直後頃まで)なら結核が作家などの死病であり業病だった。傑作も生まれた。
「結核と文学 『風立ちぬ』における結核」によると、「樋口ー葉,石川啄木,正岡子規,長塚 節,宮沢宰治,梶井基次郎,堀 辰雄などが若くして命を奪われている」一方、「結核による悲劇を描いた作品としては徳富蘆花「不如帰」が有名であるが,結核そのものをテーマにした作品はあまりない」という。「そんななかで堀辰雄の『風立ちぬ』は結核そのものを描写している」とか。
では、癌なども文学作品に扱われる。では、膠原病など免疫疾患はどうだろう。なくはないが、本格的な作品は(少なくとも日本国内では)笙野頼子作品しかないのでは。
題名自体が不思議でこだわりがありそう。病名が確定する前から訳の分からぬ症状に悩まされてきた。死の病なのではないか…診断が確定して妙に安心したり、良医との出会いに感動したり。作家の周辺に医者が何人も。親には作家も医者になることを期待されていたが、こんな病に侵されていては勉学どころか日常生活も儘ならない。人に理解されない障害でもある。文学化されてこなかったから、作家の言葉化する困難も至難のことだったろう。
本作の理解に資するだろうサイト:「文学、あるいは笙野頼子という病 清水良典|講談社 群像 公式サイト」
余談だが、同じ装丁で講談社からも ! ?ってのが不思議。 (04/08 02:52)
← Newark Earthworks (「Newark Earthworks - Wikipedia」より) 「オハイオ州ニューアークとヒースにあるニューアーク アースワークは、大圏アースワーク、オクタゴン アースワーク、ライト アースワークという保存されたアースワークの 3 つのセクションで構成されています。この複合施設は、紀元前 100 年から西暦 400 年の間にホープウェル文化によって建設され、世界最大の土の囲いがあり、総面積は約 3,000 エーカーでした。ヨーロッパ系アメリカ人の入植以来、保存されているのは遺跡全体の 10 パーセント未満です。」 このところ長々と読み続けているデヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ著の『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 (光文社)にて知った。 (04/08 01:36)
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