二時間余りの草むしり
洗濯2回、スーパーへ買い出し、ブログ日記更新のあと、草むしり没頭。今日は表の庭や内庭など。自分としては綺麗になったと思うのだが、他人は苦労の成果なんて気付かないね。 (04/15 18:22)
仕事から未明に帰宅し、断続的な睡眠のあと、何とか起きて上記のあれこれ。二時間のウンチングスタイルでの草むしりはかなりな難行で、その後、一週間ぶりに入浴し食事を済ませた…案の定、その後は寝落ち。
本日(15日)の読書は夜の九時を回ってようやく開始。リチャード・パワーズ著の『惑う星』(木原善彦訳 新潮社)を一気に読了し、前川淳著の『空想の補助線――幾何学、折り紙、ときどき宇宙』(みすず書房)を少々。 (04/16 02:45)
← リチャード・パワーズ/著『惑う星』(木原善彦/訳 新潮社) 「地球を憂う少年の心を、亡き母の愛が解き放つ。科学と情感が融合する傑作。」
リチャード・パワーズ著の『惑う星』(木原善彦訳 新潮社)を15日の夜半過ぎ…既に16日に入っていたか…に読了。残りの130頁余りを一気に読んでしまった。実に深い感動の書。
「パパ、この惑星に僕の居場所はないの? 地球外生命の可能性を探る研究者の男、その幼い息子は絶滅に瀕する動物たちの悲惨に寄り添い苦しんでいた。男は彼をある実験に参加させる。MRIの中で亡き母の面影に出会った少年は、驚くほどの聡明さを発揮し始め――現代科学の最前線から描かれる、21世紀の「アルジャーノン」」という出版社の内容案内はそのまま肯える。
『黄金虫変奏曲』を書店で発掘して、多少は難儀しつつもこれは発見だと感動した。その後、二度ほど書店に足を運んだが、『惑う星』しか置いてない。訳書としては最新刊だからか。
冒頭からヒリヒリする父と子の遣り取りが続き、時に読むのが苦しくなったりした。それでも読ませる。最後は感動的な場面となっているが、このような終わり方しかなかったのだろうか。タイトルの『惑う星』は実に意味深であり著者ならではの世界だと納得させられた。 (04/16 03:00)
← 中沢新一/著『精神の考古学』(新潮社) 「遠い過去の時代に、人間はどのような心を持ち、なにを考えていたのか。それを知るには、まだそれが残っている現場に身を置くことだ。若き人類学者・中沢新一は秘教の地へと向かう。(中略)「精神そのもの」へと導いていく――人生を賭けた冒険の書。」
中沢新一著の『精神の考古学』(新潮社)を12日(金)に読了。 中沢新一の本は、『森のバロック』 (講談社学術文庫)以来か。これは「生物学・民俗学から神話・宗教学に精通、あらゆる不思議に挑んだ南方熊楠」論の書で、非常な感銘を受けた。
著者は、「いまから四十数年前、私は一人でネパールにでかけて、その地でひっそりと難民の暮らしを送っていたチベット人のラマ(先生)のもとで、「ゾクチェン」という古代から秘密裡に伝えられてきた精神の教えを学び始めた。この本で私は当時の記録と記憶をたよりにその修練の過程をできるだけ詳しく再現しようと試みた」というまさに四十数年の修練の集大成の書。
「ゾクチェンがチベットの古代的な知恵の集積であり、仏教よりずっと古い来歴を持つもの」だという。
中沢によると、「人類が洞窟を祭儀の場としていた旧石器の頃」を考えているようだ。仏教は釈迦からのものとすると、チベットに伝わる知恵はずっと古いわけである。
といいつつ、「古代から伝えられている「チベットの原始密教の精神過程と技法」であるゾクチェンは、本書を読んでもほぼ全く理解できなかった。それは座禅を組むなどして修練の果てに得られる密教的悟りのようなものであって、安易な理解など撥ねつけるのは当たり前かもしれない。
ネット上で下記する説明が理解に資するかもしれない:「精神のはじまりは存在する『精神の考古学』(中沢新一)」
本書の中であるいは本筋ではないかもしれないが、「第十部 いかにして人は精神の考古学者になるか」の章が面白かった。
本書の題名はヘーゲルの『精神現象学』とフーコーの『知の考古学』という二つの偉大な書物のタイトルが影を落としている。
中沢によると、ヘーゲルの「精神」は、「ガイスト」であり「スピリット」であり、ギリシャ語の「プネウマ」であり、つまりは「霊」なのだという。精神には宗教的な意味が籠められているのだ。
吾輩はヘーゲルの『精神現象学』を通して読んだのは 樫山欽四郎訳による『世界の大思想 1 ヘーゲル 精神現象学』(河出書房新社)だった。もう半世紀近く前になる。ほとんど理解できなかったが、それでも通読できたのは本書に若きヘーゲルの精神の脈動を終始感じられたからだった。思えば、まさにプネウマを感じ取っていた…などと書くと生意気すぎるか。
「プネウマとは、気息、風、空気、大いなるものの息、ギリシア哲学では存在の原理、呼吸、生命、命の呼吸、力、エネルギー、聖なる呼吸、聖なる権力、精神、超自然的な存在、善の天使、悪魔、悪霊、聖霊などを意味する。動詞「吹く」を語源とする。ラテン語でスピリトゥス、そこから英語でのスピリットとなった。」(Wikipediaより)
「インド・ヨーロッパ語族(印欧語族) - Wikipedia」によると、文字通り「インドからヨーロッパにかけた地域に由来する語族である」。語族と宗教や哲学思想が単純に重なるはずもなかろうけれど、古代ギリシャのプネウマは、何処かでインドやネパールの気息とつながっているのだろうと思いたくなる。
ここまでくると、中沢新一の営為がいかに射程の広く深く困難なものか、察することはできようか。 (04/16 02:41)
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