緑苔生ず苔深くして掃う能わず
「著者が黒部を書いた紀行の中から主なもの六篇を選んだ本。黒部探検時代の思い出。」といった本。
本書の「はしがき」で、著者は以下のように書いている:
「黒部渓谷も水力発電の施設が進むにつれて、下流から逐次著しくその景観が害われてしまい(中略)、本年(昭和32年)からは、黒部の核心地帯である下廊下の絶勝がいよいよ水力発電(黒四)の工事現場となります。(中略)工事完成の暁には下廊下の水は激減し、反対に上流に大ダム湖を現出することになり、原始的の雄勁黒部は人工的貯水池と荒れ壕の連続化することになります。(中略)この小著もやがて変貌する黒部の中心地帯のありし昔の美貌をしのぶ一つのしるべとなり、同時にまた日本にかえがたい大自然の成せる国宝を失う哀歌となりましょう。」
本書冒頭には冠松次郎山岳写真作品集として、19葉の貴重な写真が載っている。実際、本書の文中でもカメラの活躍する場面がしばしばある。荷物は最小にすべき中、難行の成果だ。 (03/22 03:23)
← 我が家の庭先の梅の木…苔…地衣類。木肌が荒れてる。 (03/21 18:37)
昨日のブログ日記にて、「緑苔生ず 苔深くして掃(はら)う能わず」が本書ゾンカ著の『地衣類、ミニマルな抵抗』にて引用され、出典不明とあったが、何処かで聞いた漢詩の語調だと感じていた。調べたら、すぐに分かった。李白の有名な漢詩「長干行」の一部だ:
門前 遅行の跡
一一 緑苔(りょくたい)を生ず
苔深くして掃(はら)う能わず
落葉 秋風早し
八月 胡蝶来り
双(なら)び飛ぶ 西園の草
此に感じて妾が心を傷ましめ
坐(そぞ)ろに愁う 紅顔の老ゆるを
早晩(いつ)か三巴を下らん
(03/22 03:05)
← 日中は小雪がちらついて。開花しかけたけど、寒さに戸惑ってか項垂れてる。 (03/21 18:40)
ヘンリー・ソロー著『ソロー日記 春・夏・秋・冬』…いま読んでるゾンカの「地衣類…」にて言及参照されてる本:
「雪解け水で潤いを取り戻した森に、緑が芽吹きはじめる……。思想家、博物誌家、作家の顔をもつヘンリー・デイヴィッド・ソローが20年間にわたって書き綴った日記を日付ごとに編纂。彼の生活や思想がいきいきと蘇る。」 (03/21 23:30)
← ゾンカ著の「地衣類…」にて激賞。地衣と梅の花は同等。苔(地衣)に注目したことは我輩にはなかった。普通に、ただ当たり前の苔として眺めていただけ。画像などはWikipedia: 「紅白梅図、紅白梅図屏風は、江戸時代(18世紀)の尾形光琳による彼の晩年の一大傑作。水流と紅白の梅が描かれている。津軽家に伝来。MOA美術館収蔵。国宝に指定されている。」 そう確かに梅が描かれているのだが、光琳は木肌の苔を見逃していないことが欧米の人には特筆すべき画家の目と映るのだろう。 (03/21 18:52)
← 「金地著色太公望図〈尾形光琳筆/二曲屏風〉」 「草地と土手に、白の輪郭で強調された緑の染みが描き込まれ、地衣に似た図柄になっている。」ちなみに(本書によれば)禅僧や僧侶の白い着物に羽織る法衣は時に「苔の衣」の名で呼ばれるとか。(画像は、「文化遺産オンライン」より。) (03/21 19:09)
← 我が家の内庭…苔庭モドキ! 今、ゾンカ著の『地衣類…』を読んでるので、せっかくだから我が家の内庭の光景を…(03/21 19:22) (頂いたコメントに)苔庭風を維持するのが難しい。メンテ大変。雑草が蔓延る。素足で歩いたら気持ち良さそう。 (画像は、昨夏に撮影) (03/21 20:12)
西多 昌規著の『眠っている間に体の中で何が起こっているのか』(草思社)を今日から読む。生涯の大半を睡眠障害に苛まれつつ生きてきた我輩(障害を負ったのは十歳の時、病院で)。今さら本書を読んでも手遅れなのだが、書店で本書が目についてしまったのでね:
「日本の睡眠研究の第一人者である著者が、脳をはじめ、 心臓や肺、胃腸、骨や筋肉、免疫、内分泌、泌尿器、皮膚などが、 睡眠中にどのような状態になっているのか、 また睡眠不足によってどのようなダメージを受けるのかについて、 世界中のさまざまな研究をひもときながら検証します。」
…もう少し早く障害の深刻さに気付くべきだったな。誰一人アドバイスを呉れる人とは出逢わなかったのは、自業自得なんだろうね。ま、他にも障害があったから、仕方ないかな。(03/21 22:39)
← 雨が夜更け過ぎに~雪に変わるだろ~♪♪って、丑三つ時にやけに静かだなと本を閉じ窓外の様子を窺ったら、ホントに雪化粧。ああ、淋しい! (03/22 02:13)
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