« カード決済でドタバタ劇 | トップページ | サルオガセとの<邂逅> »

2024/03/15

励ましてくれる存在

 ← 埴谷雄高 著『虚空』(現代思潮新社) 60年刊。「日本の近代文学史上未踏の作品群。意識の純粋実験 ― 表題作他短篇五編を収録。」 吾輩の手元にあるのは、74年刊の「現代思潮社」の本。

 埴谷雄高 著『虚空』(現代思潮社)を14日(木)夜半近く読了。数十年ぶりの何度目かの再読。初めて読んだのは学生時代…教養部の頃か。当時はやや身構えて読んでいたのを覚えている。

 今回はそれなりに自分として読書経験も重ねてきたし、ある意味創作する立場をも踏まえて読んでいたような。自分ならどう表現するか。埴谷が創作した当時はこうした文学的にも実験的試作的な営為は大変難儀だったろうと感じる。昭和14年の「洞窟」は別儀にしても、他の作品も昭和23年から昭和32年である。

 ドストエフスキーやポー、サルトルなどを意識していたようだが、今回読んでみて感じたのは、自分でも意外だったのだが、確かに実験的ではあるが、かなり私小説的な匂いを感じてしまった。何処か私生活の断片が透けて見えたような気がしたのだ。

 あるいは未だに文学的にも人間的にも未熟な吾輩の生硬な勘繰りに過ぎないのだろうが。

 自分にとって苦しい時節にあっても埴谷雄高は文学的に勝手に励ましてくれる存在であり続けてきた。今もそうなんだなと痛感させる読書体験となった。 (03/15 02:40)

 

 ← 「奈良 富雄丸山古墳 ひつぎ調査 貴重な「三角縁神獣鏡」発見か? | NHK (03/15 00:03)

 昨日(13日)から埴谷 雄高作の『虚空』を読み出している。本書は短編集。その中の「虚空」に、メンデルの論文からの転記。あのメンデル? 調べてみたら:

「メンデルは有名な気象学者でもありました。オーストリア気象学会の創始メンバーのひとりでした。メンデルは天候のパターンの記録を毎日続け、ブルノを1870年に襲った竜巻について、慎重な解析を行いました。メンデルはまた“北極光(オーロラ)”や電信障害と太陽黒点の活動の関連について追跡し続けていました。」

 「虚空」に、メンデルの論文からの転記があり、意識的に援用されていたことは、再読するまですっかり失念していた。

 メンデルは生前は気象学の研究者としてより有名だった。 (03/14 19:49)

 

  昼行燈81「汽車と列車」 (03-14 17:35)

 

  昼行燈81「ダダ ダダ ダダ  (03-14 04:27)

 14日(木)は休み。晴れ。お出かけ日和というほど暖かくはないが、外出もできなくはない。でも家で燻っていた。トイレの掃除をしたり、父母のアルバムを整理したりしつつ、読書と居眠りに終始した。夜には三日連続となる入浴も。習慣付いて来た?

 13日から読み始めた埴谷雄高 作の『虚空』(現代思潮社)を14日の夜半には読了し、合間にエマ・チャップマン著の『ファーストスター 宇宙最初の星の光』(河出書房新社)をちびりちびりと読み進めたりした。ついには、下記するように冠 松次郎著の『黒部渓谷 (1957年)』 (朋文社)に手を付けるに至った。

 読書生活的には充実していたか。

 

 ← 冠 松次郎著『黒部渓谷 (1957年)』 (コマクサ叢書〈第5巻〉朋文社) 「渓に生き、渓に死んだ渓の男、冠松次郎が愛した黒部本流全域にわたって、その概観、歩道、地形、四季について語る。黒部渓谷を歩き続けて40数年、大正から昭和初期に至る初めての黒部本流核心部の記録。」 …今は新書版も出ているようであるが、吾輩は父の本で読む。

 冠 松次郎著の『黒部渓谷 (1957年)』 (コマクサ叢書〈第5巻〉朋文社)をついに読み出した。昭和32年の初版。山(登山)好きな父らしい蔵書。いかにも当時らしく箱入り。折角なので読む。富山県人としても一度は読んでおきたい本であろう。

 本書刊行後数年して黒4ダムが出来て黒部渓谷がダム湖に消えていく。冠の本書はだから失われゆく渓谷の姿を35年に渡り踏破した貴重な記録。単なる刊行ガイドであろうはずはない。

「冠 松次郎(かんむり まつじろう、1883年〈明治16年〉 - 1970年〈昭和45年〉)は、日本の登山家であり、黒部峡谷の地域研究、山岳紀行文でも知られる。東京本郷生まれ。」 (03/15 01:42)

|

« カード決済でドタバタ劇 | トップページ | サルオガセとの<邂逅> »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書評エッセイ」カテゴリの記事

富山情報」カテゴリの記事

創作(オレもの)」カテゴリの記事

恋愛・心と体」カテゴリの記事

読書メーター」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« カード決済でドタバタ劇 | トップページ | サルオガセとの<邂逅> »