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2024/02/21

依存症との戦いは長く険しそう

 ← カール・エリック・フィッシャー著『依存症と人類  われわれはアルコール・薬物と共存できるのか』(松本俊彦監訳/小田嶋由美子訳 みすず書房) 「依存症は「病気」なのか? それとも、差別や疎外に苦しむ者に刻印されたスティグマなのか――? 圧倒的な筆力で依存症をめぐるさまざまな神話を解体し、挫折と失敗に彩られた人類の依存症対策史をも詳らかにする。」

 カール・エリック・フィッシャー著の『依存症と人類  われわれはアルコール・薬物と共存できるのか』(松本俊彦監訳/小田嶋由美子訳 みすず書房)を一週間余りを費やして読了した。曲がりくねった長い、先の見えない道を旅した気分。

 内容的には案内通りだろう:「ある時代には酒や薬物に耽溺することは「堕落」とみなされ、ある時代には「下級階層の流行病」とみなされある時代には酒や薬物に耽溺することは「堕落」とみなされ、ある時代には「下級階層の流行病」とみなされた。 アルコール依存症から回復した精神科医が本書に描くのは、依存症の歴史であり、その概念の歴史である。自身や患者の体験、過去の有名無名の人々のエピソードに加え、医学や科学のみならず、文学、宗教、哲学にまで踏み込んだ豊饒な歴史叙述によって、依存性薬物と人類の宿命的な繋がりが浮かび上がってくる。」

  転記したい箇所…付箋を貼った下りが多数にのぼった。転記は諦める。解題から数か所だけ。

 解題の松本俊彦氏によると、「本書の特徴は、著者が依存症専門医であるとともに、自身がアルコール依存症からの回復者であるという立場から、米国の依存症対策史を記述した点にある。」「本書には、米国の依存症対策の在り方を俯瞰的かつ中立的にサマライズし、対策の問題点を鋭く指摘した、一線級の学術資料としての価値がある。」

「著者は、米国の薬物規制史を振り返りながら、「米国の麻薬戦争は、依存症対策ではなく、本質的には、薬物を使用する人々、とりわけ有色人種に対する戦争であった」「政治家や法執行機関は、薬物使用に関するモラル・パニックを起こすために必死で画策した」「米国の禁止法主義政策は、薬物使用者に汚名を着せるためのものでしかなかった」と断じている」

 本書でも引用されているある学者は、その著書の中で、「人類においてもっとも広範に使用され、最大の害をもたらしている薬物として、アルコール、タバコ、カフェインを挙げ、これらを「ビッグ・スリー」と呼んでる」とか。

「一方、薬物政策上取り沙汰されることが多いものの、現実には一部の人々だけが使用し、その害も世界全体から見ると、ビッグ・スリーとは比較にならないほど限定的な薬物として、アヘン、大麻、コカ(コカイン)を挙げ、これを「リトル・スリー」と呼んでいる。そして、規制可能なのはこの「リトル・スリー」であって、「ビッグ・スリー」を規制すれば、政権支持率低下・転覆、さらには民衆の暴動が起こり、まず成功しない」とも。

 こういった悲観的な話を鑑みると、依存症との戦いの先行きはまだまだ長く険しそうである。 (02/21 01:35)

 

 ← 読書してて、たったいま気付いた。我がホッチキスというかステープラーに名前や町名が印されてる。驚いて撮ってそのままアップしようとした。が、さすがに実名や町名のアップはまずかろうと気付いて青ペンで名前を消した。…我輩が自分で印したのかな? (02/20 17:04)

 今日は寒い。昨日とは雲泥の差。シャワー…どうする? 昨日は浴びなかったし、浴びざるをえまい。 (02/20 17:06)

 昨日(月曜日夜)から読み出したリチャード・パワーズ著の『黄金虫変奏曲』(みすず書房)。本日(火曜日夜半時点)で70頁余り。文体に慣れてきた。順調な船出か。 (02/21 01:07)

 

 ← 「ジャイアンツ・コーズウェー(英: Giant's Causeway, アイルランド)は、イギリス・北アイルランドにある、火山活動で生まれた4万もの石柱群が連なる地域。アントリム県ブッシュミルズの北2kmに位置する海岸線にある。」「古第三紀 (6千万年前) に、アントリム一帯は激しい火山活動にさらされ、高い流動性を持つ溶解した玄武岩が、チョーク質の地層に貫入し、広大な溶岩台地を形成した。」(情報及び画像は、Wikipediaより)

 佐野 貴司/矢部 淳/齋藤 めぐみ著の『日本の気候変動5000万年史 四季のある気候はいかにして誕生したのか』 (ブルーバックス)を読み出した。その第一章にて紹介されてる。

 大規模火山群が形成されたマグマ活動。富士山を形成したマグマの1万2000倍が活動。この火山活動(が噴出した膨大な二酸化炭素)が地球大気(気候)に影響し、超温暖期をもたらした。

 当時、約一万年間の高温期。およそ2兆トンのメタンが海底から放出された(海底のメタンハイドレートが一気に融けた…超温暖化が長く続いた影響か)。 (02/21 00:41)

 つい先日、同じブルーバックスの保坂 直紀著の『地球規模の気象学 大気の大循環から理解する新…』を読んだばかり。
 関連する上掲書を読み出したのは…気候の科学が気になる。まして日本のこととなると: 

「…その長い時代の変遷の中で、日本の気候はどのように変化してきたのだろうか? 気候は、日本だけでは語ることはできない。日本の気候の成立には、ヒマラヤ山脈の誕生によるモンスーンの開始や黒潮と対馬海流の成立も大きく関わっている。本書では、地球全体の気候変動、日本列島の地質学的な変化と気候の変化を関連づけて明らかにしていく。」 (02/20 18:44)

 

 ← 今日(火曜日)は休日だった。用事は山ほどある…有りすぎて思考停止。雨で外仕事もダメ。仕方なく前から気になっていたトイレ脇の洗面所の片付け。溢れ返っていた本や雑誌をダンボール9箱に詰めて書斎へ。実は床が抜けそうなのだ。…これでも随分スッキリしたのだ。…やたらと壺…花瓶が多い。捨てるに捨てられず。 (02/21 00:10)

 今日は寒かったので、柴ストーブを使った。ま、紙類や箱なども燃やした。牛乳パックが種火に最適。 (02/21 00:24)

 昨日(月曜日)は暖かかったけど、今日(火曜日)は数度。零下にならなくてよかった。 (02/21 00:43)

佐賀 吉野ヶ里遺跡で国内最古の部類とみられる「鋳型」2点発見 | NHK」 興味津々。 (02/20 23:05)

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