タダジュンなるアーティストを知る
← ポール・オースター著『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』(柴田元幸(訳)+タダジュン(絵)スイッチ・パブリッシング) 「ポール・オースターの不朽の名作が絵本に 今年の冬の一冊、心温まるクリスマスの小さな物語」
ポール・オースター作の『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』(柴田元幸(訳)+タダジュン(絵))を15日に読んだ。
柴田元幸(訳)+タダジュン(絵)の絵本。題名や内容案内の「ポール・オースターの不朽の名作が絵本に 今年の冬の一冊、心温まるクリスマスの小さな物語」からしてクリスマスを意識した本作り。
今の時期に読むのもピンとがずれてるが、そこは吾輩らしい。
そもそも入手したのは二年以上前のこと。なんだか読むのが惜しくて温存してきたのだが、家ではカール・エリック・フィッシャー著『依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか』(みすず書房)と、フォークナー作の『野生の棕櫚』 (中公文庫)といった大部の本を交互に読んでいることもあって、ちょっとした気分転換に楽しんだ。
ポール・オースターファンの我輩。図書館通い時代にあるだけの作品を読んだ。帰郷して買って読めるようになって再読を兼ねて買い揃えていった。物語を信じるオースター。本作は彼の物語作りの原形を感じる。タダジュンの単色の絵が物語世界を膨らませてくれてる。
都会人を感じさせるオースターの胸の底に潜む痛切な孤独感。それがまさに物語を創出する根っ子なのかな。 (02/15 21:05)
← 【展示のお知らせ】『Dear,THUMB BOOK PRESS』増刷記念展のポスターなのだが…生憎会期は終了している。(「JUN TADA」より)
柴田元幸の訳業には随分と馴染んできたが、恥ずかしながら、タダジュンなるアーティスト(イラストレーター)は本書で知った…というか、魅せられた:「タダジュン | GALLERY HOUSE MAYA」「JUN TADA」
← 【展示のお知らせ】『冬とインク II』のポスターなのだが、こちらも生憎会期は終了してる。 (「JUN TADA」より)
タダジュンは、イラストレーター…版画家…銅版画家のようだ。
「タダジュン | ARTISTS | ARToVILLA」によると、「1971年東京都出身。版画の技法を使い、書籍装画や雑誌のイラストレーションを中心に活動中。深いインク黒の中に、アイロニックとユーモアを感じる銅版画を制作。主な仕事に『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』ポール・オースター / 柴田元幸 訳(スイッチ・パブリッシング)、『左川ちか全集』(書肆侃侃房)、雑誌『 MONKEY』のイラストレーションなど。」
← 『Dear , THUMB BOOK PRESS』(SUNNY BOY BOOKS) タダジュン初作品集。「架空のプライヴェート・プレス<THUMB BOOK PRESS>を主宰していたサムという実在しない人物になりきり、サムが愛した古典的海外小説の装画20点をタダジュン(=サム)が手がけ、柴田元幸や管啓次郎、小野正嗣ら12名の寄稿者により語られるサムを通して彼があたかも実在したかのように展開される図録的一冊」だとか。
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